- 発行日 :
- 自治体名 : 長崎県対馬市
- 広報紙名 : 広報つしま 令和7年2月号
私たちは今、場所や時間に関係なく、欲しい情報を入手することができるだけでなく、各種手続きやサービスを受けたり、人とつながったりすることができる『情報化社会』の中で暮らしています。時間や天候に左右されていた、離島に住む私たちの暮らしも、オンライン上での仕事や買い物、コミュニケーションなどが可能となった情報化社会の到来によって、大きく様変わりしました。
その変化は、学校など教育の現場も同様で、対馬の子どもたちは、その技術を活用しながら、より成長しようと取り組みを続けています。
■新しい社会の入り口に位置する現在
人類は、様々な技術の発明により進化を続けてきました。狩猟を中心とした時代から農耕の時代へ、蒸気機関の発明による産業革命を経て、コンピュータを活用した情報の時代を迎えました。現在、社会には情報はあふれているものの、乱雑で悪意のある情報は、時に人を傷つけたり、社会不安を引き起こしたりしています。また、現実社会では、少子高齢化や過疎化、あふれる情報をうまく活用できていないなどの問題を多く抱えていることから、日本政府は、これからの日本が目指すべき社会として、先進テクノロジーを駆使し、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合することで、現在抱えている問題や困難を克服し「人々が快適で活力に満ちた質の高い生活を送ることのできる、人間中心の社会」(Society(ソサエティ)5.0)を目指すとしています。
■勉強・学習の時代から学びの時代へ
社会の変化に合わせ、学校での教育の姿も変化しています。これまでは、全員が決まった時間に一斉に授業を受け、同じ水準の学力や、計画を正確にこなす能力を身に付けることを重視する「勉強」、教育の蓄積を活用した深い学びや、それぞれが考えることを重視した「学習」を行ってきました。これからの学校教育は、子どもたちの学力や学ぶ姿を観察しながら、それぞれにあった学習ができるように支援することや、学校だけでなく、地域や企業などが学校と連携して、子どもたちに対し様々な学びの機会を提供し、多様な知識を得る「学び」を重視した時代へ変化していくことが求められています。
■他地域に先行して取り組む対馬市のICT教育
子どもたち一人一人に合わせた教育が必要とされる現在、対馬市では、他の地域よりも先行して取り組みを行ってきました。その一つがICT(情報通信機器)を活用した取り組みです。対馬市では、平成30年度から、中学校は1人1台、小学校は1クラスで授業ができる台数のタブレット端末を配備しました。令和2年からは、小学校でも1人1台のタブレット端末を配備して、児童や生徒の学びの手助けを行っています。タブレット端末は、皆さんが持っているスマートフォンなどと同じように、携帯電話の回線を使用して通信を行っているため、教室だけでなく、屋外や持ち帰っての利用ができるため、子どもたちそれぞれの「学び」に合わせ、機器を活用することができています。
※ICTとは
Information and Communication Technologyの略で情報通信機器と訳します。パソコンなどの単体ではなく、インターネットなど、ネットワークに接続することによって通信技術を活用したコミュニケーションを指します。
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