- 発行日 :
- 自治体名 : 長崎県雲仙市
- 広報紙名 : 広報うんぜん 令和7年7月号
■雲仙市最古の縄文土器(国見町小ヶ倉(こがくら)A遺跡)
1万5千年前頃に始まる縄文時代は、人類が初めて土器を発明した時代です。日本海沿岸の極東アジアは、世界で初めて土器文化が花開いた場所で、縄文時代草創期(そうそうき)と呼ばれます。佐世保市の国史跡「泉福寺洞窟(せんぷくじどうくつ)」では、最も古い豆粒文土器(とうりゅうもんどき)が発見されています。
小ヶ倉A遺跡でも縄文時代草創期の土器が発見され、自然科学分析の成果などから1万3千年前頃のものとわかりました。「押引文土器(おしびきもんどき)」と呼ばれるもので、土器の縁には鋭利な工具を使い細かい模様が刻まれており、泉福寺洞窟や特別史跡「福井洞窟(ふくいどうくつ)」でも同じものが見つかっています。土器の厚さは3ミリほどしかなく、薄く丁寧に作られた土器を触ると、縄文人の繊細さが伝わってくるようです。
小ヶ倉A遺跡の土器は「泉福寺洞窟」や「福井洞窟」の土器と非常によく似ており、当時の縄文人が土器を携えて佐世保から雲仙に移住してきたのかもしれません。
土器は、雲仙市歴史資料館国見展示館で展示しています。また、同じ時代の土器が瑞穂町伊古(いこ)遺跡でも見つかっており、瑞穂町公民館ロビーに展示中です。
縄文人の暮らしぶりを感じにぜひご来館ください。
問合せ:生涯学習課
【電話】0957-47-7864