- 発行日 :
- 自治体名 : 長崎県雲仙市
- 広報紙名 : 広報うんぜん 令和7年9月号
■佃遺跡(つくだいせき)の甕棺(かめかん)
2,000年以上前の弥生時代中期から後期、甕棺(かめかん)という大きな土器に遺体を埋葬する方法が、九州北部を中心に用いられました。埋葬された時期や生産地によって形が異なり、市内でも発見されています。その中でも『まるっとした可愛らしい形が特徴的』な佃遺跡(つくだいせき)(国見町)の甕棺を紹介します。
合口甕棺(あわせぐちかめかん)という、2つの甕(かめ)の口を合わせたもので、大きな下甕(したがめ)に遺体をおさめ、上甕(うわがめ)は蓋として利用されます。土器表面は白っぽい色をし、三角突帯(さんかくとったい)(断面が三角形で紐状のもの)が貼り付けられています。飾りの役目もありますが、甕を運ぶ時ヒモを掛けたのでは…という説もあります。弥生時代後期前半のもので、色や形から熊本地域で作られたようです。
県内最大である直径14mの竪穴住居(たてあなじゅうきょ)内から銅鏡や赤く塗られた土器とともに発見されました。甕棺周辺には火を焚いた痕跡もあり、埋葬の際に祭祀(さいし)を行ったようです。集落の中心的人物の住まいと考えられ、甕棺の大きさから、子どもが納められていたことが分かります。大切な人物として、丁寧に埋葬されたのでしょう。そこには、亡くなった人を想う気持ちを感じとれるようで、今のわたし達にも共通する想いかもしれません。
※詳細は本紙16ページをご覧ください
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