文化 つなごう!未来へ島原半島ユネスコ世界ジオパーク

■国崎半島の海岸風景~なぜ美しい砂浜と荒々しい岩場が生まれたのか~
南串山町にある国崎半島の先端部は、北西から東に向かって緩やかに湾を描いています。その湾の内側(東側)には、夏になると海水浴客でにぎわう美しい“砂浜”が広がっています。一方、湾の外側(西側)は、ごつごつとした“大石の岩場”が続き、まるで映画のワンシーンのような荒波が打ち寄せています。
このように、わずか数百メートルを隔てて異なる風景が生まれたのはなぜでしょうか?ヒントは“湾の成り立ち”にあります。
国崎半島は、橘湾に突き出した地形をしており、約130万年前に噴出した安山岩の溶岩や土石流によって形成されました。半島の西側では、天草灘からの荒波が直接当たるため、風化と侵食が進みやすく、崖が崩れて落石が頻繁に発生しています。海に転がり落ちた石は、潮の流れに揉まれながら少しずつ砕け、やがて細かい砂となっていきます。この砂は、南西から東へと流れる潮流に乗って半島の先端へと運ばれ、長い年月をかけて湾の内側(東側)に堆積していきました。その結果、波が穏やかで、砂がとどまりやすい湾の内側には、美しい砂浜が形づくられたのです。つまり湾の外側(西側)で削られ、砕かれた岩石が、湾の内側(東側)に砂として運ばれ、景観をつくっているのです。
国崎半島の海岸風景の成り立ちには、石と砂、そして潮流による“大地の物語”が紡がれています。

問合せ:島原半島ジオパーク協議会事務局
【電話】0957-65-5540