- 発行日 :
- 自治体名 : 熊本県荒尾市
- 広報紙名 : 広報あらお 2025年10月号
少量の採血で将来の複数の病気リスクがわかる!
■市では、病気の発症予防・重症化予防に取り組んでいます!
市では、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を治療している人が多く、国民健康保険に加入している人の医療費は熊本県平均を大きく上回っているのが現状です。そこで市では、約7,000種類の血中タンパク質を解析する、世界初の技術を活用し、将来の疾病発症リスクを予測する「フォーネスビジュアス検査」を導入しています。市民のみなさんが健康で暮らし続けられるまち「健幸長寿あらお」の実現にむけて、病気の危険性にいち早く気づき、予防に取り組みましょう。
◆なんと!フォーネスビジュアス検査のこれまでの取り組みの結果からこれまでに約半数の疾患リスク値が維持・改善!
フォーネスビジュアス検査の初回検査後に、介入プログラムの提供や年間を通した保健師との面談などでの生活習慣改善をお手伝いした結果、2回目の検査結果で半数近くの人のリスクが維持・改善しました。
◇初回検査と比較して維持・改善した人の割合
検査人数129人(男性54人・女性75人)
平均65.5歳(41歳~75歳)

※1)2回とも2.5%未満の場合は発症リスクを比較できないため除外(対象18人)
※2)CVDタイプを変更した場合は除外
フォーネスビジュアス検査で将来の疾病リスクを知り、みなさんが検査後に健康を意識して取り組んだことでこの結果につながりました!
◆熊本大学も検査に着目!
熊本大学では「フォーネスビジュアス検査」と「特定健診」の関連性を調べ、どの健診項目が疾病リスク予測の判定に関わっているのかを特定する研究を行っています。
◇特定健診の結果などをもとに市民の調査を実施
・フォーネスビジュアス検査
↓
・保健師との面談を通じて生活習慣の改善に取り組む
↓
・フォーネスビジュアス検査
↓
・希望に応じて複数年継続
◆フォーネスビジュアス検査と特定健診の関連性を調べるとこのようなことがわかりました!

・肺がんリスクは喫煙と、腎不全リスクは飲酒と関連しています。特定された要因は、各疾患でよく知られる危険因子と一致し、検査の妥当性を支持する結果となりました。
・認知症や心筋梗塞・脳卒中のリスク判定は、メタボリックシンドローム判定と関連しています。
特にリスクが高い群ほどメタボリックシンドローム該当者の割合が増加していました。
◆今後の研究方針
引き続き、今後も研究に取り組んでいきます!
・年齢・性別・既往歴など、潜在的な交絡因子を考慮した多変量解析を実施し、各因子の独立した影響を評価します。
・FV検査と特定健診を継続的に追跡する縦断研究を行い、疾患リスクの変化と生活習慣の変容と、その因果関係を検証します。
・プロテオミクスデータを活用し、既存の危険因子では説明しきれない疾患リスクの分子メカニズム解明や、新たなバイオマーカーの探索を行います。
疾患リスクと生活習慣などの関連がわかることで、より生活習慣改善に取り組みやすくなり、病気の発症予防・重症化予防につながります。健康で幸せに長生き(ウェルビーイング)するためにも生活習慣を見直してみませんか?
問合せ:スマートシティ推進室
【電話】57-7622
