その他 市長からのメッセージ Message from the mayor vol.129

■伝統文化の意味するもの 江頭 実
・12月の一夜、旭志地区の岩本神楽の奉納を拝見しました。神楽は約150年前の明治4年に村民の幸福と豊かな生活を祈願するために始まり、概ね8~10年ごとに神楽舞と囃子が次世代に引き継がれ、市の無形民俗文化財に指定されています。今回は2座(神楽舞)のみの奉納でしたが、うち1座は驚くことに地元旭志中学生によるもので、女子生徒も2人加わっていました。ご神木である巻天神の椋の木(市の天然記念物)の足元で奉納するもので、氏子さんたちが手作りの立派なしめ縄を奉納され、地元の老若男女が周りを取り囲みます。暗闇の中、たき火あかりがご神木と人々の横顔を照らし出す感動的な光景です。代々引き継がれてきた伝統文化の重みとともに、地域の一体感や絆を強く感じ、心が温まりました。
・本市には、このような市の無形民俗文化財が14件指定されています(この他、「菊池の松囃子」は国の重要無形民俗文化財に指定)。その起源や性格はそれぞれですが、これらに共通するのは無病息災や五穀豊穣などの祈りや願いが込められていること。そして親の世代から子へ孫へと、代々にわたり綿々と引き継がれてきていることです。地元が共有する価値観が生み出すものが地域文化であり、長い年月を経て定型化されたものが伝統文化ではないかと思います。
・現在の私たちの暮らしも、先人の苦労や知恵の積み重ねがあってこそ。地域の伝統文化巡りを楽しむ中で、先人の祈りのメッセージが浮かび上がってくるのではないでしょうか。年初め1月5日(日)に穴川区の菅原神社で奉納される穴川夜神楽から、文化財巡りを始めてみませんか。

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