くらし 人権・同和教育シリーズ(237)

■「中学校に行くのが楽しみになりました」
地域人権教育指導員 宮崎篤(みやざきあつし)

1月16日、今年も泗水地区の小学校3校の6年生が集まり、合同学習会が開かれました。いじめや差別をなくしていくなかまになってから入学することが目的で、入学前の不安や心配を共有しながら、さまざまな人権課題を学び合う大切な機会です。
今年は特に、「悪口でつながる輪」が大きな話題になりました。子どもたちは、真剣に、そして和やかに話し合っていました。感想を紹介します。

私が学んだことは、(人の悪口で人とつながる)「輪」のことです。悪口や本当の自分ではないつながりは、やっぱりいけないと思いました。そんなことをしても誰も良い気持ちにならないし、安心できないということが分かりました。そして本音で話し合うことがそれをなくすことだと分かりました。
入学に向けて、差別をさせない・しないために今日学んだことをしっかり意識していきたいです。安心して中学校生活を送れそうな気持ちになりました。

安心できないグループと本当のクラスの違いがよく分かりました。人に合わせて自分のことが全然出せずに自分を出したら、いじめられるかもと思ったりするのがグループで、しっかりと遠慮せずに自分を出し合って楽にいられるのが本当のクラスだと分かったからです。
中学校に行く不安があまりなくなったし、楽しみになりました。

私は友達とけんかしてしまったとき、別の友達にその子のことを悪く言ってしまいました。今日の話を聞いて、私は「悪口でつながっている輪」に入っていたんだと後悔しました。
私は自分が悪口を言われたときの嫌な気持ちを友達にぶつけてしまっていました。これからは「輪」に入らないように気を付けようと思いました。

私も中学校に入学して、小学校の時の失敗が原因で、なかま外れにならないかなと思っていたけど、班の人や発表している人の意見を聞いて「この人たちもいじめや差別のない平和な学校をめざしているんだな」という気持ちになり、不安がなくなりました。

これらの感想から伝わってくるのは、子どもたちが「人とつながること」の意味を、表面的な関係だけでなく、本音で語り合える信頼関係として捉え直していることです。
特定の人の悪口を言うことで「なかま」と感じてしまう構造は、実は誰にとっても安心できない関係です。それに気付いた子どもたちは、その先にある孤独や恐怖を感じていたのかもしれません。
互いを認め合い、違いを受け入れながら「本当のクラス」を創っていこうとする意志が、今年も育ちつつあります。

問い合わせ先:人権啓発・男女共同参画推進課
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