- 発行日 :
- 自治体名 : 熊本県宇土市
- 広報紙名 : 広報うと 令和7年7月号
伝説や地域に根ざした場所の数々には、今も宇土の魅力が息づいています。
今回の特集では、「うと歴史観光案内人の会」の皆さんに、地元ならではの視点でおすすめスポットを紹介していただきました。
1.松原地区の住民が守る地域のお寺
薩摩街道沿いの西安寺は、1301年大慈寺三世の鉄山士安禅師によって開かれた歴史あるお寺で、昔から旅人や地域の人々の心のよりどころとなってきました。現在は、松原地区の住民が力を合わせてお寺を守っており、花まつりや夏祭りなどの行事も催されるなど、住民同士の交流の場となっています。境内には、アジサイが美しく咲き誇り、訪れる人々の目を楽しませています。
2.宇土城のお堀からまちの物流を支えた川へ
船場川は1588年、小西行長が宇土城の外堀として掘ったと伝えられています。江戸時代には宇土の物流拠点として発展し、小さな船が行き交い、米などの物資が盛んに積み下ろされ集積地となっていました。今も石段や蔵屋敷が当時の面影を残しています。川のほとりを歩けば、歴史の流れとともにゆったりとした時間を感じられます。ぜひ川のせせらぎを聞きながら散策を楽しんでみてください。
3.海の安全と人々を見守る住吉神社
住吉神社は、海で働く人たちや海上の安全を願う人々に親しまれてきた神社です。海が見渡せて自然も豊かなので、訪れるたびに心も体もリフレッシュできます。歴史的にも興味深い神社で、かつては有明海から熊本へ入る海上交通の要所でした。自然や歴史、海の恵みを感じられる住吉神社に、ぜひ一度足を運んでみてください。
4.千年の時を超えて愛される風流島
風流島(たわれ島)は、実は千年以上も前から京の都でも知られていた島です。平安時代に清少納言が書いた「枕草子」にも、風流島が記された一節があります。その他に、伊勢物語や後撰和歌集などにも登場しています。古典にもたびたび登場し、多くの人々に愛されてきた風流島。これからも、その歴史や自然の美しさを、多くの人に伝えていきたいと思っています。
5.漁師の営みが造った路海の上から宇土を眺める
今では観光地として知られる長部田海床路ですが、昭和54年に海苔や貝を採る漁師のために建設されました。私の長部田海床路のおすすめの楽しみ方は、先端から宇土半島を眺めること。山並みのふもとを走る電車を眺めていると、まるで海の上から町全体を見守っているような、不思議な気持ちになります。
■うと歴史観光案内人の会
会長 糀本良一さん(馬之瀬町)
◇歴史やスポットを掘り下げさらなる魅力発信を
私たち「うと歴史観光案内人」は現在、約20人のメンバーが在籍しており、主に宇土市内の歴史遺産や遺跡の案内を行っています。旅のコース相談にも対応しており、小中学校からの依頼で学校に出向いたり、現地での説明を行っています。
ガイドの育成にも力を入れており、毎年養成講座を開講しています。最近では「宇土について知りたい」「歴史や観光案内に興味がある」といった様々な人が参加されるようになりました。また、毎月1回定例会を開催し、お互いの得意分野を教え合いながら、みんなで楽しく学び合っています。
出身や仕事、年齢もさまざまで、それぞれが自分のペースでガイドを楽しんでいます。今後は、地域の皆さんが知っているけれど私たちがまだ知らない歴史やスポットも掘り起こし、宇土の魅力を詰め込んだガイドマップを作ることが目標です。これからも宇土の歴史や魅力を多くの人に伝えていきたいと思っています。
◇宇土市内の歴史・観光案内はうと歴史観光案内人の会にご依頼ください!
宇土市内の歴史遺産と遺跡を案内します。旅のコースの相談にも応じます。小学校や中学校のご依頼で学校へ赴くこともあれば、大太鼓収蔵館や長部田海床路などで現地説明を行うこともあります。
料金:最初の2時間(10人まで)2,000円、(11人~20人まで)3,000円
※1時間延長ごとに1,000円追加
問合せ:商工観光課 観光物産係
【電話】0964-27-3329
◇うと歴史観光案内人の会として一緒に活動する仲間を募集しています
うと歴史観光案内人の会では、毎年1回「観光ボランティア養成講座」を実施しています。講座を受講すると、「うと歴史観光案内人」として活動できます。市内外、住所問わず受け付けています。
宇土市の歴史・文化・観光を楽しく学びながら宇土市の魅力を伝えてみませんか?
問合せ:商工観光課 観光物産係
【電話】0964-27-3329