- 発行日 :
- 自治体名 : 熊本県宇城市
- 広報紙名 : 広報うき ウキカラ 令和7年3月号
■志高く_。目指すは世界一。
◆汐﨑 然 Shiosaki Zen
平成23年生まれ小川町在住。小川中学校1年。熊本テコンドーアカデミー富合道場所属。小学1年から大会に出場し、初出場の大会で優勝。以降数々の大会で優勝を重ね、令和5年度からは全日本テコンドー協会の強化指定選手に選出。令和6年度には世界プムセ選手権大会の日本代表として出場し、カデット男子の部では3位という好成績を収めた。
◇世界へ羽ばたく実力者
夜の体育館で息をのむほど美しい演武を行うのは汐﨑然さん。令和6年度にテコンドーの世界プムセ選手権大会カデット男子の部で銅メダルを獲得した実力者だ。
汐﨑さんの行う競技はテコンドーのプムセという種目。一定の直進線にしたがって、四方八方に動きながら型を行い、足技の美しさを競う。アップ中はチームメイトと笑いながらストレッチを行う汐﨑さんもひとたび練習に入れば表情が一変。中学一年とは思えない雰囲気が彼の周りをまとう。テコンドー歴は7年。体力、下半身強化のため陸上クラブにも所属。週5回は二刀流での練習をこなしている。
◇テコンドーとの出会い
汐﨑さんがテコンドーを始めたドのは小学1年。いとこがテコンーを習っていたことをきっかけに、現在も所属する熊本テコンドーアカデミー富合道場に入った。汐﨑さんの得意とする技は「チャギ」と呼ばれる蹴り技。足の裏が天井を向くほど高く蹴り上げ、大会でも高い点数がつけられる。先生からチャギの課題を受け、個別特訓の末、足が以前より上がるようになり、今では自身の武器となった。
テコンドーの魅力は「限られた技の動きの中で自分らしさを表現できること。そこが面白い所であり、難しい所でもあります。自分に足りないものを常に考えながら練習をしているのでつらいとはあまり思いません。」と笑って話す。
同道場の指導者、朴炯奎(ぱくひょんぎゅ)さんは汐﨑さんについて「チャギの技もすごいがそれ以上に試合の途中でミスをした時もすぐに切り替えることができるメンタルが彼の強み。本番に強く、ピッチに入った時の集中力はすさまじいものがある。」と語る。
◇初めての挫折
数々の大会で優勝している汐﨑さん。しかし、自身が忘れられない大会がある。テコンドーを始めたばかりの小学1年の頃、初出場の大会で優勝してすぐの2回目の大会で2位となり、優勝を逃してしまった。「最初に出場した大会たで優勝したので油断していまし。あの時の悔しさは今でも覚えています。」と汐﨑さん。その後、自身の練習不足を自覚し、悔しさを糧に一層練習に励むように。その後は、数々の大会で優勝を重ねた。
母親の汐﨑彩(あや)さんは「息子はテコンドーに対し、ひたむきに努力し、自分が決めたことは必ず守って、達成しようとします。テコンドーを始めてからたくさんの経験を積んだおかげか気持ちの面で強くなりましたね。」と息子の成長を喜んでいた。
◇さらなる高みへ
汐﨑さんに今後の目標を聞くと「世界一」と即答。「でもまずは今年の3月に行われる大会で優勝することです。今回はアジア大会の代表を掛けた大会。今の階級は来年度で最後になります。テコンドーはこれからも続けますが、自分にとってさらなる飛躍となるような年にするために、力を出し切りたいです。」とまっすぐな目で語る。決して現状に満足することなく、さらなる高みへ。汐﨑さんの挑戦は続く。