健康 健康だより

■介護認定結果から見えた高森町の健康問題について~認知症編~
前回7月号で新しく介護認定を受けた方の原因となった病気を確認しましたが、その中で今回は令和元年以降1位となっている認知症についてお話ししていきたいと思います。

そもそも認知症とは『正常に発達した脳の機能が何らかの原因によって認知機能が持続的に低下し、日常生活に支障をきたした状態』と定義づけされています。つまり『脳に生じた病変(病気)等によって生活が難しくなるほどわかる力(認知力)が低下した状態』です。そしてこの状態を引き起こす原因となる病気はおよそ70~100種類あると言われています。今回は特に患者数が多い病気や早期発見についてご紹介します。

●認知症を引き起こす2大疾患
認知症の原因となる病気は70~100種類程度あると言われていますが、特に多いと言われているのが『アルツハイマー型認知症』と『脳血管性認知症』です。

☆アルツハイマー型認知症(変性疾患)
約50〜60%の方が該当。年々認知症全体に占める割合は増加傾向にあります。この病気はβアミロイドという異常蛋白質が脳に溜まり徐々に脳細胞を破壊することで引き起こされます。初期から物忘れがあり、取り繕いや物盗られ訴えなどの症状が見られます。

☆脳血管性認知症(脳血管性疾患)
約15%程度の方が該当。脳梗塞や脳出血により血液や酸素が届かず脳細胞が死滅することで引き起こされます。この認知症は脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患が起きた部位や範囲によって症状に違いがあります。また脳血管疾患を繰り返すことで悪化していきます。認知症の中では特に予防が可能な認知症になります。

●早期発見が重要なポイント
認知症の原因となる病気は70~100種類ほどありますが、その中には治療が可能な病気もあります。ただし長期間放置してしまうと治療をしても回復することが難しくなります。またアルツハイマー型認知症においては治療薬が開発されていますが、利用できるのは初期の時期に限られています。いずれにしても早期発見・早期治療がその後の状況に大きく影響するため重要です。しかし初期のうちに症状だけで病気の種類を判断することはとても難しく、専門医療機関を受診し適切な検査を受けて判断をしていく必要があります。

●認知症を予防していくためには
認知症は完全に予防することはできませんが、発症する可能性を少しでも下げるために下記の対策が有効とされています。

(1)生活習慣の改善
アルツハイマー型認知症・脳血管性認知症ともに高血圧症・糖尿病などがあると発症する可能性が格段に上がります。そのためこれらの病気を適切にコントロールすることが発症する可能性を下げる、発症する時期を遅くするために重要とされています。

(2)頭・体をしっかりと動かし刺激を与える
脳や身体を使わない状況は『廃用』と呼ばれており、身体状況や脳機能を著しく低下させる原因と言われています。特に脳を活性化するためには『楽しい・心地よい』という刺激を受けること、人とコミュニケーションをとること、役割・日課を持つことが重要とされています。

認知症の予防には『特別な何かをする』のではなく『日ごろの習慣の積み重ね』が大切です。
まずは自分ができることを見つけて日ごろの生活に取り込んでいくことから始めてみましょう。

問合せ:健康推進課 国民健康保険係
【電話】0967-62-2910