- 発行日 :
- 自治体名 : 熊本県氷川町
- 広報紙名 : 広報ひかわ 2025年3月号
少子高齢化や人口減少は社会全体の大きな課題。そこに地域の実態や事情が絡み合い、多くの自治体は独自の課題を解決しづらい状況にあります。私たちが日々の生活の中でふとした時に感じる不安やもっとこうなればいいのにという思いは、こうした課題の片鱗でもあります。
このような状況を踏まえると、全ての課題を早急に解決することは、とても難しいことかもしれません。ですが、今氷川町に暮らしている人から「やっぱり住んでいてよかった」と思ってもらえるように、今は氷川町を知らない人から「行ってみたい・住んでみたい」と思ってもらえるように、町は課題解決に向き合い続ける必要があります。
こうした思いから、合併20周年を目前にした令和6年度において役場職員が中心となって「課題解決重点プロジェクト」に取り組んできました。
・近くに空き家が増えたな…この家も将来空き家になるのかな
・氷川町で農業を始めたいけど何から始めればいいの?
・頑張って続けてきたこの仕事、この先誰か継いでくれるんだろうか…
・氷川町に帰って起業したいけどやっぱりハードル高いよね…
・子どもが生まれたら、仕事と子育てをちゃんと両立できるか不安だな
・消滅可能性自治体って言われたけどこの先大丈夫なの?
・氷川町のこんな魅力知られてないのもったいないよ!
■課題を掘り下げ、氷川町の「理想の未来」を探した半年間
このプロジェクトには、課長職未満の役場職員から35人が参加。取り組む課題についても、全職員から募集した町が取り組むべき課題の中から特に優先度が高い7つに絞りました。
所属する課もこれまでの経験年数も違う職員たちは、自分の業務の合間の時間を使い、地域活性化包括連携協定を結ぶ株式会社博報堂プロダクツの協力を得ながら、半年間かけて課題と向き合い、提案を作り上げました。
大切にしたのは「理想の姿を描くこと」でした。皆で話し合い、その理想を言葉にしたのが『多彩な自由を家族で実現できる町』。ただ通り一遍の解決策ではなく、その姿のため今の氷川町にあったらいいな、こうなって欲しいなを形にする提案を目指しました。
昨年10月には、町長をはじめとする町幹部にプレゼンテーションという形で作り上げた提案に込めた思いを直接伝えました。
ここでは、職員が行った提案の概要を紹介します。また、実際のプレゼンテーションの資料の抜粋版を町ホームページに掲載しています。現時点では「提案段階」のため、今後実際に事業として進んでいくものもあれば、実施は難しいと判断されるものも出てきますが、職員が描いた提案をぜひご覧ください。
01 情報発信・PR強化
これからは「住み続けたい」「移住したい」を促す情報発信を
ただ情報を伝えるのではなく、町のホームページにたどり着いた人の「行動」を促すホームページを、現状の分析を通して考えます。
02 事業承継・新規起業
やりたかった仕事をここで実現させるために
事業者の廃業は地域経済の衰退につながります。ソフト面とハード面で承継・起業のサポートをしながら、新たに人が訪れる仕掛けをつくります。
03 空き家対策・移住促進
氷川町に住みたい人の気持ちに応える
空き家は増える一方で、家を探す人のニーズに応えきれていない現状があります。移住を促進していくためにも現在、町が取り組む空き家対策を改めて考え直します。
04 道の駅竜北活性化
町の魅力発信拠点 目指すのはもっと安定したサービス
多くの氷川町産品が揃い、好立地にあり集客力もある道の駅。実際のお客さんの声から改善点を見つめ、今以上に満足度の高い道の駅を目指します。
05 新規就農
課題を逆手にとり就農の高いハードルを下げる
農地や機械の確保など初期コストが大きな負担となる新規就農。一方農業後継者不足や荒廃農地の問題も。双方の課題解決につながる新しい就農支援を提案します。
06 子育て
育児の時短を応援する子育てで選ばれる町へ
共働きの夫婦が増え、多くの人が時間に追われて子育てをしている現在。すでにある多くの子育て支援施策がさらに子育ての負担・不安軽減につながるような取り組みを目指します。
07 公共施設有効活用
施設×町の魅力で新たな町の顔を作る
人が集うとワクワクする。活気が生まれる。町に住む人も町外からも人が集う場づくりのため、町でこんなことができたらいいのにを実現するために、既存の施設を活用します。
ここに挙げた7つの具体的な課題解決の提案をぜひ町のホームページからご覧ください。
QRコードから確認できます。
本紙を参照ください
■みなさんの意見が町を広げる指針に
職員の提案でも目指したように、町が何か事業に取り組む際には、それが理想的な姿として存在し、住民の皆さんにも効果をきちんと感じ取ってもらえているというのが、とても大切です。それを測る有効な指針の1つとして「地域幸福度(Well-Being)」があります。
地域幸福度は、国の定めた項目を基にしており、実際に町で暮らす人の「暮らしやすさ」と「幸福感」を数値化・可視化したものです。学校の数や健診受診率、津波や地震の危険度といった客観データと、アンケートを通して得られた実際に住民の皆さんがどう感じているのかという主観データを比較しながら読み解いていきます。
すでに多くの自治体で実施され、デジタル庁のホームページでは、調査を実施した全国の自治体の指標を見ることができます。
たとえば、客観データに比べて主観データの値が大きい場合、それは事実以上に満足度の高い、町の良いところと捉えられていると言うことができます。これが逆になると、町の提供するサービスがきちんと伝わり切れていない可能性があることが分かります。こうした点について町は、実際のニーズとかけ離れていないか精査しながら、今まで以上に情報発信に力を入れていかなければならないという指標になります。
多くの回答が集まることで、指標がより実状に沿ったものとなり、「これから氷川町が向かうべき方向」を示してくれます。調査へのご協力よろしくお願いします。
普段感じていることをチェックしていくだけの簡単な調査です!
■地域幸福度(Well-Being)調査へのご協力をお願いします
回答対象:氷川町に住む15歳以上の人
回答方法:QRコードから/役場・宮原振興局窓口設置の回答用紙から(回答時間の目安は約5~10分です)
回答期限:3月24日(月)
回答はこちらから
【HP】https://logoform.jp/f/ToA2b