くらし 人権の広場

■共生社会に向かって ~アイヌの人々について正しく知りましょう~
もともとその土地に住み、その環境にあった生活や文化を持ちながら生活していたのに、他からやってきた人々に文化や風習を否定され、社会的に不利な立場に置かれている人々がいます。その一つとして日本ではアイヌの人々がいます。
アイヌの人々は、北海道などに先住していた民族であり、固有の言語、伝統的な儀式・祭事、多くの口承文学(ユーカラ)等、独自の豊かな文化を持っています。

・アイヌ語は周囲に類似した言語が見られません。2009年ユネスコにより消滅危機言語に指定されました。
・北海道や東北地方北部の地名にはアイヌ語に由来するものが多数あります。
・人間を取り巻くすべての事物に、魂(ラマッ)が宿ると考えられています。
・人間に多くの恵みをもたらすものや、人間がかなわないような強大な力を持つものをカムイとして敬っています。

明治以降の北海道開拓に伴い、政府はアイヌの人々の土地を奪い、アイヌ語の使用や伝統的な風習を否定するなどのいわゆる同化政策を進めました。このため、アイヌ民族の誇りである文化や伝統は、十分に保存、伝承されているとはいいがたい現状にあります。
現在、アイヌの人々は、北海道だけでなく全国で暮らしています。アイヌの人々に対する理解が十分でないため、就職や結婚などの際の偏見や差別が依然として存在しています。
アイヌの伝統や文化等についての正しい知識を持ち、民族や文化の違いに対する寛容さを身に付けることは、世界の多くの民族や文化を尊重し、認め合える社会の実現につながります。

(参考)熊本県人権同和政策課「人権研修テキスト(人権全般編)」
令和5年度人権啓発活動指導者養成研修会資料(人権教育啓発推進センター)

問い合わせ:教育委員会 社会教育係
【電話】32-1117