その他 第244回 郷土の植物(435)

■クマヤマグミ(グミ科)
阿孫 久見

丘陵地(きゅうりょうち)から山地(さんち)の林内(りんない)や林のふちに生育(せいいく)する高さ5メートルほどの落葉小高木(らくようしょうこうぼく)です。樹皮(じゅひ)には、まるい赤褐色(せきかっしょく)の皮目(ひもく)があります。
互生(ごせい)の葉(は)は全縁(ぜんえん)で、ふちが波打つ長楕円形(ちょうだえんけい)の長さ5・5センチ、幅(はば)が2センチほどです。表面(ひょうめん)に淡黄色(たんおうしょく)の星状毛(せいじょうもう)があり、裏面(りめん)には銀色(ぎんいろ)の鱗状毛(りんじょうもう)が密生(みっせい)し、その上に淡黄褐色(たんおうかっしょく)の鱗状毛が点々(てんてん)とあります。
初夏の頃(ころ)、葉のわきに筒状(つつじょう)の先が4裂(れつ)する径(けい)1センチほどの淡黄色の花を数個(すうこ)下向(したむ)きに咲かせます。花(はな)のあと、径1センチほどの楕円形(だえんけい)の偽果(ぎか)(子房(しぼう)以外(いがい)の部分(ぶぶん)が加(くわ)わってできた果実(かじつ))をつけ食べられます。
和名の由来(ゆらい)は、愛媛県の久万山(くまやま)で初見(しょけん)されたので久万山茱萸(クマヤマグミ)の名があります。
竹田では、くじゅう山系(さんけい)や祖母山系でたまに観察(かんさつ)されますが個体(こたい)は少ないです。大分県の絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)。花期(かき)は4月から5月です。