くらし 令和7年 第1回由布市議会定例会 施政方針
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- 発行日 :
- 自治体名 : 大分県由布市
- 広報紙名 : 市報ゆふ 2025年4月号 vol.235
令和7年第1回由布市議会定例会の開会にあたり、令和7年度の市政運営に向けて5つの基本姿勢について述べさせていただきます。
1、『安全・安心で快適なまちづくり』
毎年のように全国でも大規模な自然災害が続いており、昨年は由布市においても台風第10号の豪雨により、甚大な被害を受けました。現在も復旧事業の最中ではありますが、一日も早い復旧に向け優先して事業に取り組んで参ります。
また、令和2年に発行した「由布市防災マニュアル」の改訂版として、「由布市防災マップ」を作成し、市内全戸配布いたしました。今後も、災害に強い「安全・安心なまちづくり」を目指して参ります。
都市基盤の整備につきましては、「由布市都市計画マスタープラン」や「立地適正化計画」に基づき、計画的な都市形成を図りながら、将来にわたって持続可能なまちづくりと災害に強い居住地の形成を引き続き目指して参ります。
次に、公共交通網の取り組みですが、「みんなで守り・育てる、持続可能な公共交通」の実現を目指して、利便性の向上に向けた路線の拡充を図り、誰もが利用しやすい公共交通網の充実を進めて参ります。また、多様化する住民の移動ニーズに対応していくため、多様な主体がそれぞれの特性を活かした公共交通の運営を支える仕組みづくりに取り組んで参ります。
生活環境に関しての取り組みは、市内で散見されるごみのポイ捨てに対し、「由布市ポイ捨て等の防止に関する条例」を令和7年4月から施行し、市民および事業者、交流者の皆さまと協働して対策に取り組んで参ります。
次に、重要なインフラである水道についてですが、「由布市水道ビジョン」の基本理念である「豊かな水環境を未来へつなぐゆふの水道」の実現に向け、将来にわたって健全な水道事業を維持し、安全かつ安定した水道供給を持続するため、老朽施設の更新や施設の耐震化を計画的に進めるとともに、挾間浄水場浄水池の新設工事により、水道の安定供給の向上を図って参ります。
2、『人を育むまちづくり』
無限の可能性を秘め、地域の宝である子どもたちの、健やかな成長を見守り、安心して育むことができるよう、保育所等の「待機児童ゼロ」に向けての対策、「高校生等医療費助成事業」や3歳未満児を対象とした「すくすくおむつクーポン券配布事業」を継続して参ります。新たに認可保育所等の3歳未満児第一子の保育料無償化の実施により認可保育所等の保育料完全無償化、放課後の居場所づくりのためのゆふいん児童クラブ、くすのき児童クラブの建設に取り組んで参ります。
また、「こども家庭センター」において、全ての妊産婦や子育て世帯の一体的な相談支援を行い、要支援児童などへの支援体制を強化して参ります。
今後も、家庭・地域・学校・企業・行政がそれぞれの役割を果たす中で、連携して、子育てに関わる切れ目のない寄り添ったサービスを提供し、「子育て応援日本一」を目指して参ります。
また、将来を担う子どもたちの健やかな成長を支えるため、令和7年度より幼稚園、小・中学校の給食無償化、ならびに認可保育所等の4.5歳児の給食費の補助に取り組んで参ります。
3、『医療、福祉のまちづくり』
急速な少子高齢化社会の進展にあって、高齢者世帯は年々増加傾向となっております。住み慣れた地域で自分らしい生活が安心して送れるよう、相談体制の充実を図るとともに、多職種による在宅医療・介護連携を推進し、包括的な支援体制の充実に加えて、「本人の選択と本人・家族の心構え」として人生会議の取り組みを推進して参ります。
次に、健康づくりの推進について、昨年度策定いたしました「第3期由布いきいきプラン」に基づいて、ライフステージに応じた健康意識や健康行動を高めるための啓発活動や健康教育などに取り組んで参ります。
他にも健康教室など「第3期データヘルス計画」に基づき、健康・医療情報を活用した効果的な保健事業を実施することにより、生活習慣病の予防および重症化予防につなげ、市民の皆さまの健康維持および医療費の適正化に取り組んで参ります。
4、『産業振興のまちづくり』
市内中小企業者の支援施策につきましては、急速に進む物価高騰や人手不足など、厳しい経済社会情勢の変化に対応し、生産性向上を目的としたDX化や販路拡大、人材育成や労働環境の改善などを支援するとともに、人手不足緩和に向け令和6年度に導入した短期就労マッチングシステム「ゆふマッチボックス」の活用推進を図り、市内事業者の発展と地域経済の活性化に向け取り組んで参ります。
観光施策につきましては、市内各観光協会などとの連携を図りながら観光素材の磨き上げに取り組む中で、由布市全体の周遊観光につながる施策を推進し「住んでよし、訪れてよし」の観光地域づくりに取り組んで参ります。
次に農業振興についてですが、担い手の確保・育成を推進するため、スタートアップファームでの就農体制を図るとともに、既存の研修制度や専門員による営農指導により園芸推進品目の産地拡大と経営安定に向けた取り組みを継続します。また、地域ブランド確立に向けて、一般社団法人「ユフイズム」と協働し、由布市の魅力発信と1次・2次・3次産業の一体的な好循環を図る取り組みを支援して参ります。
5、『未来へ持続可能な行政運営』
まちづくりの主人公は市民であるとの理念のもと、市民皆さまの想いを尊重し、協働によるまちづくりに向け「地区コミュニティ組織の設立支援」に引き続き取り組んで参ります。
また、質の高い市民サービスの提供と行政事務の生産性向上に向け、デジタル技術の活用により、行政事務のデジタル化や情報システムの最適化に取り組み、積極的に「自治体DX」を推進して参ります。
令和7年度は、当市が誕生して20年を迎える節目の年であり、私にとりましても2期8年の最終年に当たります。これまで、ふるさと“由布市”の輝く未来と発展に向け、「安全・安心に暮らせる市民生活を第一に」との強い決意のもと『地域自治を大切にした、住みよさ日本一のまち由布市』を目指し取り組んで参りました。特にこれからの由布市を思うとき、将来を担う子どもたちへの支援は地域の持続的な発展のために重要であると考えております。
そのため、令和7年度はこれまでの取り組みに加え、「給食費の無償化」など、子育て支援の充実をさらに図って参ります。
子どもたちの育みを未来への投資とし、5つの基本姿勢に基づき、市民の皆さんとともに由布市を創りあげて参ります。