文化 都城市立美術館 vol.90

「盆地夕景」
飯田 長雄 作(1984年)

本市出身の医師で、地域医療に尽力する一方、二科展などで高く評価された写真家・飯田長雄(1925-2011)。市美展の審査員を務めた秋山庄太郎や植田正治らとも交流があり、都城地域の写真文化の発展に貢献しました。
霧島盆地の夕暮れから夜へ移ろう瞬間を捉えた本作。高千穂峰が水平線上に配され、街並みを見下ろす構図から、高所で撮影されたと推測できます。
飯田は「今はビルの向こうにしか霧島山は見ることができなくなった」と本作の解説に記し、時代と共に変わる街並みと、永遠に変わらぬ霧島山の姿を詩情的な光の中で対比させています。
※本作は、10月25日(土)~12月7日(日)に開催する特別展「植田正治 写真することがとても楽しい」展で展示予定

問い合わせ:市立美術館
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