文化 クローズアップ まちを支える人たち(197)

山王原在住 三浦好子(みうらよしこ)(84)さん

■短歌で奏でる人生メロディー
○日常を、短歌に込めて
短歌愛好者14人で、毎月歌詠み会を催す「三股短歌会」。昭和43年に発足した同会の会長を務める三浦好子さんは、13年ほど前、友人に誘われて入会した。未経験だったが、情景、出来事や感情などを31音で表現する短歌の魅力にひき込まれていった。「日々のささいなことでも歌になるので関心が向くようになりました。つい日記調の歌を詠んでしまうこともあり、心の奥深くに向き合いながら、文学的に詠むことを心掛けています。これがまた難しいんですよ」と笑顔で話す。
三浦さんが短歌の妙味を感じるのは、言葉を探り、紡いでいくことを繰り返す推敲の時間。どのように表現するか心に向き合い、ときに辞書に向き合い考え抜く、とても大切な時間だ。推敲を重ね、技術と感性を詰め込み、歌を詠んできた三浦さん。31音で詠んだ歌の数々は、日々を一歩一歩、大事に歩んできた三浦さんの優しい足音だ。