くらし 特集 戦後80年という節目に(4)

【戦後の垂水市。】

■垂水市の風景〔昭和28年(1953)〕
8月5日の垂水大空襲で、配給所、配給品、貯蔵庫も大部分が焼失し、食べるものがなくなりました。多くの方が壕生活をし、着のみ着のまま眠り、そして食糧確保に奔走し、大変苦労したそうです。
さらに戦地や都市からの引揚者が相次ぎ、衣食住共に大変苦しい状況でした。こうした苦難の中、昔に生業としていた塩田の復活、延縄漁業者等が増加し、北九州等への買い出しや食糧品との交換に役立てられたといいます。
その後も台風の来襲など様々な苦難がありましたが、当時の方々が一生懸命まちを復興させ、現在、私たちは平和な時間をこの垂水市で過ごしています。垂水市史下巻にはたくましく逆境を乗り越えていこうとする先人の記述があります。「町民は、いたでを受ければ受けるほど不撓不屈のまけじ魂がつき上げてきて、一層復興の意欲をかりたてる。こうして町民は苦難の中から立ち上がって行ったのである。」
※詳しくは本紙をご覧ください。

■其の5ー記憶を紡ぐために
◇冥福を祈るサイレン吹鳴
原爆死没者と戦没者の冥福と世界恒久平和実現を祈念し、広島・長崎に原爆が投下された8月6日、9日と、終戦の日である8月15日に毎年サイレン吹鳴を行っています。黙祷をささげていただきますようにお願いいたします。

問合せ:福祉課地域福祉係
【電話】内線126

◇令和7年度から市内戦争遺跡調査を実施
本市は、戦後80年の文化財事業として、包括連携を締結している国立大学法人鹿児島大学や地元有志の方々と共に、近年注目される戦争遺跡について、市内の基礎情報をあらためて整理する目的で、市内戦争遺跡調査を実施しています。
今年6月に実施した新城麓のまさかり海岸にある『震洋基地跡』の調査では、レーザー計測や3Dスキャンで記録しつつ、震洋艇を運んだリヤカーの痕跡らしき溝や、全体の構造について観察しました。
調査に参加した、同大学法文学部の山元創平(そうへい)さん(4年)は「震洋基地跡は高さが5メートルほどもあり、ほか地域のものと比べて、明らかに大型であることが特徴です」と分析しました。
今後は市内各所を分析し成果をまとめ、平和学習の資料として教育の場等で活用していく予定です。

問合せ:社会教育課文化スポーツ係
【電話】0994-32-7551

◇記憶を伝える書籍たち
今特集の参考・引用文献として拝読した書籍をご紹介します。戦時中の様子や、戦争体験者の貴重な記憶が綴られています。このほかにも多数、戦争関連書籍が垂水市立図書館に保管されています。

(1)垂水市史下巻
昭和53年(1978)垂水市
明治維新以来百余年の間の郷土の発展が書かれた書籍。

(2)垂水市史料集(十三)戦後五十年戦争体験記
平成7年(1995)垂水市教育委員会
戦争体験者の方々がそれぞれの体験を寄稿し、一冊の体験記として発行された書籍。

(3)太平洋戦争のつめあと 垂水市戦災日記
昭和40年(1965)垂水市役所
垂水市郷土史家・山口栄之氏が昭和20年に書いた日記に基づく書籍。

■其の6ー平和を思う
◆今、私たちができること。
戦争から80年という時間が過ぎました。当時の記憶を見て、聴いて、知ることで今も私たちの胸に刻まれ、未来への教訓として語り継がれています。
今を生きる私たちにできること、それは、過去の過ちを繰り返さないことだと思います。そのために、次の世代へ戦争の悲惨さと平和の大切さを伝えることが大切です。
本特集を読まれた皆様が、身近な方や子どもたちと、戦争と平和について改めて考えたり、伝えたりするきっかけとしていただければ幸いです。

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◆千羽鶴
市民の皆様と、戦争・平和について考え、その思いや願いを形にしたいと思い、千羽鶴の制作を企画いたしました。下記の施設にて回収箱を設置し、完成した暁には垂水市役所本庁にて展示いたします。

○回収箱の設置場所
・本庁ロビー
・垂水市市民館
・各地区公民館
・牛根支所
・新城支所

○回収箱の設置期間
8月1日(金)~8月31日(日)
※開館時間等にご注意ください。

[折り鶴の折り方]
・千羽鶴…縁起のよいツルを千羽ほどたくさん揃えば、より願いが叶うとされる。
※詳しくは本紙をご覧ください。

皆様の平和を願う思いを、折り鶴で繋ぎたいと思いますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

問合せ:企画政策課秘書広報係
【電話】内線221