文化 第62回 キジカケル突撃レポート! ~太古の世界を見に行こう!編~(1)

甑島列島には「姫浦層群(ひめのうらそうぐん)」と呼ばれる白亜紀後期の地層が分布しています。この地層から、二枚貝やアンモナイト、魚類などの海の生き物の化石に加え、恐竜やワニ、カメ、硬鱗魚(こうりんぎょ)、植物などの陸や淡水に生息していた生き物の化石がたくさん見つかっています。
今回は、鹿島市民サービスセンターを博物館として改修し、4月にオープンした「甑ミュージアム」の見どころをたっぷり紹介します。

道中も恐竜が歓迎!
入り口までは恐竜が案内します!

■甑ミュージアムの歴史
平成20年 鹿島地域で県内初の恐竜化石を発見
平成21年 化石発掘体験会でウミネコ留学生が獣脚類恐竜の歯の化石を発見
平成22年 鹿島支所内に常設展「甑島の化石展」を設置
平成23年 日本初、アジアでも3例目のケラトプス類の化石を発見
平成24年 竜脚類恐竜の歯の化石を発見
平成27年 甑ミュージアム恐竜化石等準備室オープン
平成28年 ハドロサウルス類の大腿骨の化石を発見
平成29年 第3土曜日化石プログラム開始
令和2年 海生(かいせい)ワニ類と海生トカゲ類の歯の化石について記者発表
令和3年 甑ミュージアム改修工事に着手
令和4年 甑ミュージアム運営協議会を設置
令和7年 甑ミュージアムオープン

令和元年(平成31年)度広報薩摩川内7月通常版「キジカケル」では、甑ミュージアム恐竜化石等準備室を紹介しているよ

■学芸員が伝える!甑ミュージアムの魅力
今回は、甑ミュージアムの山下(やました)学芸員にインタビューし、皆さんに伝えたい魅力や注目の化石などを聞いてきました!

■まずは甑ミュージアムについて詳しく教えてください!
甑島の地質や化石について調査研究、標本の収集・展示を行い、教育普及に役立て、後世まで残すことを目的としています。これまで地域の方や研究者の協力を得て、調査研究や展示作りなどを行ってきましたが、ついに開館を迎えました。

○開館時間と料金は?
開館時間:9時~17時(入館受付は16時30分まで)
休館日:
・水曜日(水曜日が祝日の場合は翌日以降の祝日でない日)
・年末年始(12月29日~1月3日)
※変更となる場合があります。

※未就学児は無料

※詳しくは本紙をご覧ください。

■特徴は何ですか?
なんといっても、展示標本のほとんどが甑島産の化石や岩石である点です。また、展示は最新の研究成果に合わせて更新していく予定なので、何回来ても楽しめるようになっています。

■甑島の地層から分かることは何ですか?
恐竜時代末と、その後の哺乳類の時代に東アジアに生息していた生き物や環境について知ることができます。
また、甑島の地層に含まれる石を、光を通すまで薄くして「薄片(はくへん)」を作り、中の鉱物を観察すると、甑島が昔はユーラシア大陸と陸続きだったことが分かります。左の写真(本紙参照)は、大陸上でしかできない石英の粒でできている堆積岩で、オルソコーツァイトという岩石です。

次のページからは館内を山下学芸員に紹介してもらうよ!