- 発行日 :
- 自治体名 : 鹿児島県薩摩川内市
- 広報紙名 : 広報薩摩川内 第492号 4月通常版
■一押しの化石は何ですか?
上甑島産のハドロサウルス類サウロロフス大腿骨です。約1年半かけてクリーニングして、ようやく全貌が明らかになりました。国内の恐竜化石の中で、最も恐竜の絶滅期に近い時代の化石として注目されました。
甑島で発見された骨は、恐竜の太ももの骨の上半分だったんだって!
推定すると約10mの大きさで、全身骨格を見ると、どれだけ大きい恐竜が生息していたか分かるね。
太ももの化石や全身骨格標本は(2)や(6)で見ることができるよ!
※詳しくは本紙をご覧ください。
■化石をゲットしよう
出入口付近に設置しているカプセルトイでは、海外で見つかった本物の化石をゲットすることができます!
来館の記念に試してみてはいかがですか。(1回400円)
1階にはキッズスペースがあり、絵本などが用意されているよ!
ここでは飲食もできるので、一息つくことができるね。
■2階の展示は何があるんですか?
1章の「甑島の大地」から始まり、「白亜紀の海の世界」、「白亜紀の陸の世界」、「古第三紀の世界」、「現在の甑島」までの5つのテーマに沿って、さまざまな化石や岩石を展示しています。
甑島では新種のアンモナイトが複数発見されており、そのうち2種を2章「白亜紀の海の世界」のどこかに展示しているので、ぜひ探してみてください。
■この化石は何ですか?
「テルミノナリス」という、恐竜時代の海を泳いでいたワニの仲間で、国内ではここでしか見られない標本です。甑島では北西太平洋地域で2例目となる海ワニの歯が見つかっています。
■注目のコーナーがあると聞きましたが…
甑島の成り立ちや自然環境などを学ぶことができるプロジェクションマッピングはぜひ見てほしいです。鹿島地域の住民の声で解説します。
海ワニの歯を近くで見てみると、口の内側に向かって曲がっていて、食べた魚を逃がさないようになっていたよ。
甑島で見つかった歯の化石も展示しているので見てみてね!
■甑ミュージアムで匠の技が見られるんですか?
1階の化石クリーニング室で化石の周りについた余分な岩石を取り除く作業を見学できます(主に平日の午前中)。年2回の集中発掘調査などで見つかった化石を含む岩石を運び込み、日々コツコツと作業が進められています。
高い技術と集中力が求められる作業で、10年以上の経験を積んだベテランスタッフの技術は、海外の研究者も舌を巻くほど。甑島の化石の研究を支えている非常に重要な作業です。
難しいポイントは、化石と岩石の色が似ていると境が判別しにくいところだって!
作業は基本的にエアスクライバーで削り、細かい部分はデザインナイフを使って削っていきます。
ここまできれいに剖出(ぼうしゅつ)できるのは匠の技です。
■山下学芸員から皆さんへ
甑島は魅力がいっぱいの島なので、甑ミュージアムの開館をきっかけにたくさんの方に島を訪れてもらえたらうれしいです。野外の見どころが甑ミュージアムから近いのも特徴なので、展示を見た後は、ぜひ実際の地形や地質、動植物を観察してみてください!
甑ミュージアムの展示は、甑島の皆さんや研究者の協力のもと、こだわって製作しました。もし分からないことがありましたら、ぜひお声掛けください。
今回は、4月にオープンした甑ミュージアムを山下学芸員にたっぷり紹介していただきました。
このミュージアムのコンセプトでもある、「ここだけでしか見ることのできない甑島の化石の展示」のとおり、魅力が詰まった展示ばかりです。
ぜひ皆さん、絶景と太古の世界に触れるべく、甑ミュージアムへ行ってみてはいかがでしょうか。
甑ミュージアム
住所:鹿島町藺牟田1457番地10
連絡先:【電話】09969(4)2211
駐車台数:約30台