- 発行日 :
- 自治体名 : 鹿児島県中種子町
- 広報紙名 : 広報なかたね 令和7年(2025)3月号
■中種子町の神社
中種子町には、古くから地域を守り、人々の暮らしを支えてきた神々が祀られています。それぞれの御祭神を紐解くと、この土地の歴史や信仰のあり方が見えてきます。
野間霧島神社の彦火瓊々杵尊(ヒコホホニニギノミコト)は、天孫降臨の神であり、農耕や開拓の守護神として地域の発展に関わってきました。また、納官熊野浜津脇神社や坂井熊野神社の伊邪那岐・伊邪那美大神(イザナギ・イザナミノオオカミ)は、日本の国土を創った神々であり、生命の誕生と繁栄を象徴しています。
一方、豊受大神(トヨウケノオオカミ)が祀られる坂井豊受神社、野間神社、増田神社、油久神社などは、五穀豊穣を願う信仰と深く結びついています。農業の要となる太陽を司る天照大神(アマテラスオオカミ)は、納官神社に祀られ、地域の繁栄を見守っています。さらに、牧川神社の大山祇神(オオヤマズミノカミ)は山の神として自然の恵みをもたらし、森や水源を守る重要な存在です。
この地域では豊穣神の加護を求め、土地の発展や自然の調和を支える神々を祀ってきたと推測されます。神社を訪れ、感謝の心を捧げることで、地域の歴史や自然の恵みを改めて感じることができるのではないでしょうか。
町文化財保護審議員
大山 要