くらし 令和7年度 施政方針(2)

1 「平和で人間性豊かなまちづくり」について
(1)平和事業の推進
去る大戦で県内でも有数の激戦地であった本町では、鉄の暴風にさらされ、住民の約半数近くの尊い命が犠牲となりました。一方で、戦争体験者の減少と相まって、戦争の悲惨さが今、忘れ去られようとしています。
今年は戦後80年と節目の年を迎えます。時代は昭和、平成、令和と変遷する中においても戦争の歴史的教訓や悲惨さを風化させないため、6月を平和月間と定め、戦没者追悼式や企画展を実施するとともに、関係団体と連携し、音楽イベント「平和の約束」の開催、チョークアート制作・展示を実施します。
また、夕陽の広場へ建立された「月桃」歌碑等、町内にある様々な資源を活用し、次世代を担うこども達をはじめ、町民の平和意識の一層の高揚と恒久平和の実現を目指します。

(2)地域活性化事業の推進
活力に満ちた明るく住み良い地域社会の形成に向けて、各自治会の自主的な地域自治活動を支援するとともに、青年連合会への支援を通し、わかむんちゃー(若者)の想いを大切にした地域活性化を推進します。
また、コロナ禍を経て再起した伝統芸能や地域活動等を更に活性化させ未来へつなげるため「第25回西原まつり」を開催します。

(3)差別・偏見のない社会の実現
多様な社会課題に対応し、一人一人が高い人権意識をもち、互いに認め合うまちづくりをめざすため、「第4次西原町男女共同参画計画」を推進します。

(4)幼児教育・保育環境の充実
幼児教育・保育環境の充実を図るため、令和8年度の公立認定こども園の開園に向け、西原幼稚園のこども園移行に取り組みます。

(5)誰一人取り残されない学びと心豊かなたくましいこどもの育成
児童生徒の学習用端末や教職員によるICT機器の活用により、「個別最適な学び」や「協働的な学び」の充実を図るとともに、主体的・対話的で深い学びを実現するため、学習効果の向上に取り組みます。
また、大学等との連携による授業支援、小中学校の連携による共通実践などを通して、児童生徒の学力向上の支援に取り組みます。
特別支援教育のより一層の充実に向けて、特別な支援を必要とする幼児、児童生徒の自立と社会参加を見据えつつ、一人一人の教育的ニーズに応じた個別最適な学びの場の提供と幼児児童生徒に関わる支援者の資質向上及び連携強化に努めます。
いじめ、不登校の課題については、教育相談員による学校訪問相談や保護者相談を行うとともに、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの効果的な活用を図り、課題解決に努めます。
さらに、中学校に校内自立支援室学習支援員の継続配置を行い、登校はできるが教室に入れない生徒等に対し、多様な学習機会や居場所の確保など、引き続き学校支援に努めます。
教職員の業務負担を軽減するため、引き続き小中学校にスクール・サポート・スタッフと中学校へ部活動指導員を配置し、教職員の働き方改革に努めます。

(6)教育環境の充実
GIGAスクール構想の更なる推進のため、全児童生徒の学習用タブレット端末を更新するとともに、これまでの坂田小学校及び西原小学校に引き続き、西原東小学校の電子黒板の更新に取り組みます。
学校施設については、西原中学校の体育館屋根改修工事に取り組み、施設の長寿命化を図ります。
また、西原東小学校の建て替えに向け、引き続き校舎改築基本計画の策定に取り組みます。

(7)学校、家庭、地域と連携・協働した教育活動の推進
こどもたちを取り巻く環境や学校が抱える課題は複雑化・多様化しています。保護者や地域住民等が学校運営の当事者として参画するコミュニティ・スクールの推進と地域住民等の参画により地域と学校が連携・協働する地域学校協働活動の一体的推進に取り組みます。

(8)青少年健全育成の推進
児童生徒の深夜徘徊や飲酒・喫煙・薬物乱用防止に向けて、関係機関・団体と緊密な連携を図ります。
また、「西原町教育の日」において、他の模範となる善行少年等の表彰を行い、青少年の健全育成に努めます。

(9)生涯学習の振興
町民一人一人が自己の人格を磨き、豊かな人生を送るために「いつでも、どこでも、だれでも」学ぶことができる生涯学習環境の確立が強く求められています。そのため、各種社会教育関係団体の育成支援をはじめ、多様な生涯学習活動施策を推進します。
中央公民館においては、町民ニーズを踏まえた各種事業や講座などの充実を図り、生涯学習活動の機会及び情報を積極的に提供します。
町立図書館においては、「文教のまち西原」の知識の宝庫・情報拠点として、利用者の読書・学習活動を支援し、豊かな時間が過ごせる環境づくりに努めます。

(10)スポーツ・レクリエーション活動の推進
町民のスポーツ・レクリエーションに対する関心の高まりや多様化に応えるため、運動公園施設や学校施設を広く町民に開放し、健康づくりや交流の場としての利活用を促進します。
また、関係機関・団体と連携を図り、町民の健康と体力づくりに取り組むとともに、各種競技大会やスポーツチームの合宿誘致を推進し、町民のスポーツに対する意識の高揚と、より充実した生涯スポーツの振興に努めます。

(11)文化事業の推進
伝統文化の保存・継承や文化財保護思想の高揚を図るため、町内の文化財を案内できるボランティアの育成に取り組み、地域散策事業「邑廻(むらみぐ)い」や「歴史講演会」、「歴史の道を歩く」事業を実施します。
また、内間御殿については、整備計画に基づき東江御殿石牆(あがりーうどぅんせきしょう)解体工事等を行います。
町民交流センターにおいては、文化・芸術活動の拠点として、主体的・創造的な文化活動を支援するとともに、民間や文化・芸術団体の活力を活かした様々な催し物を通して、町民が文化・芸術に触れる機会を創出します。

(12)国際交流事業の推進
海外移住者子弟研修生受入事業においてペルー共和国からニシハランチュを受け入れ、移住国との友好親善及び国際交流思想の高揚を図ります。
また、移民の歴史や多文化共生についての発信に努めます。