- 発行日 :
- 自治体名 : 沖縄県久米島町
- 広報紙名 : 広報くめじま 2025年4月号
◆商工・観光産業の活性化
商工業の振興につきましては、引き続き久米島商工会への支援と連携を図り、物価高騰などによる町内事業者の経営に与える影響を軽減し、経営継続や回復に向けた取り組みを促進してまいります。また、事業承継に関する情報を収集し、その対策を強化していく方針です。
特産品開発や販路拡大につきましては、引き続きブランディングサポートや離島フェアをはじめとする各種物産展の開催を支援してまいります。また、販路拡大につながるよう、品質向上に向けた取り組みを促進してまいります。
伝統工芸品である久米島紬の振興について、後継者育成や販路拡大、販売促進の支援を行うとともに、久米島紬の生産が今後も持続的に継承されるよう、染料の確保や作業環境の改善に向けて引き続き久米島紬事業協同組合と連携してまいります。
観光振興については、入域観光客数が令和5年度実績で約9万人となっており、コロナ禍以前と比較すると9割程度まで回復しています。令和6年度に策定した第3次久米島町観光振興基本計画の基本理念である「持続可能な島の未来をつくる共創ツーリズム」に向けた施策に取り組むことで、更なる誘客を図ってまいります。
本計画では、観光関連事業者や観光協会、経済団体、行政に加え、町民や来訪者も関わり合いながら、島ぐるみで観光振興を推進してまいります。
また、本年11月には民間による高速船の就航が予定されており、兼城港ターミナルへの観光案内所の設置や観光地の環境整備、さらに二次交通などの課題解決に向けて取り組んでまいります。インバウンド受け入れ対策としては、国際交流員を配置し、PR戦略の強化や多言語対応、外国人観光客へのサポート体制を整えます。
スポーツコンベンションの推進については、スポーツイベントの誘致や開催を通じて、多くの参加者や観客を久米島に呼び込み、地域経済の活性化につなげていきます。これらの取り組みを通じて、持続可能な観光地として、多くの人々に愛される観光地域づくりを進めてまいります。
路線バスについては、民間事業者に業務を委託しますが、引き続き運行経路、バス停の配置、運行時刻などの運行環境や体制の改善を行い、利便性の向上に努めます。また、運行事業者と連携し、地域公共交通の課題解決を図ってまいります。
さらに、持続可能な公共交通の構築に向けて、喫緊の課題である「担い手確保の問題」の解決を図るため、大型免許取得にかかる対策を講じてまいります。
◆福祉の充実
少子高齢化や核家族化が急速に進展する一方で、社会情勢の変化やライフスタイルの多様化などにより、地域住民のつながりが希薄化し、地域における相互扶助機能が低下しています。そのため、福祉の支援が必要なニーズに対して対応することが困難な状況が増えてきました。
このような状況を踏まえ、本町における地域福祉の推進を図るためには、住民参加の促進と総合的かつ効果的な施策の推進が不可欠です。そこで、行政レベルの施策と民間レベルの活動や行動がより密接に連動した体制づくりに努めてまいります。
子ども・子育て支援については、すべての子どもが心豊かに、そして健やかに育つことを目指し、子どもの幸せを第一に考えます。いかなる場合においても差別されることなく、子どもの権利を擁護し、子どもの利益を最大限に尊重する意識を住民一人一人が持つことが重要です。このような意識をもとに、子育てを応援するまちづくりを推進してまいります。
さらに、子どもたちへの支援を強化するために、「こども家庭センター」をこども未来課内に設置し、子育て家庭への切れ目のない包括的な支援を提供してまいります。
待機児童の解消につきましては、保育人材の確保に向けて、町外の保育人材の移住費用の助成などに取り組むとともに、保育士が働きやすい環境づくりに努めてまいります。
認定こども園の整備については、幼小中学校適正規模・適正配置に関する方針との整合性を図り、より良い環境を検討してまいります。
町民の健康づくりに関しては、町民の健康寿命の延伸と医療費の適正化を目指し、特定健診に関する取り組みを強化します。特に、働き盛り世代である30代から40代の方々の受診率向上を図るほか、生活習慣病の重症化予防に重点を置いた保健活動の強化に努めてまいります。
本町が独自で実施している「子ども健康プロジェクト」については、医療機関や学校と連携し、健康診査や保健指導、さらには健康教育の充実を図ります。そして、生活習慣の改善へとつながるよう取り組んでまいります。
国民健康保険事業については、加入者の健康増進や国保事業の安定した財政運営に向けて、医療費の適正化に取り組むとともに、国保税の収納確保に努めてまいります。
仲里歯科医院については、設備や診療に必要な備品などの調達、開業の準備が整い次第、開院いたします。一方、具志川歯科医院は令和7年1月末をもって閉院していますので、歯科医療に関しては将来の人口推計なども考慮し、対策の検討を行ってまいります。
障がい者福祉の推進については、基本理念である「障がいがあってもその人らしく輝き、安心して暮らせる共生のまち」を目指します。具体的には、障がい者にかかるあらゆる社会的不利益や不平等の解消に向けて、地域全体で支え合っていけるよう取り組んでまいります。
高齢者福祉の推進については、地域包括ケアシステムの構築を進め、高齢者の生活実態や心身の状態、ニーズを考慮した上で、必要となる「介護」「医療」「予防」「生活支援」が相互に連携し、一体的に提供されるよう努めてまいります。その実現に向けて地域の特性や資源の有効活用を図り、高齢者が住み慣れた地域でできる限り自分らしい日常生活を営めるように取り組んでまいります。