くらし 令和7年 施政方針(3)

◆教育の充実
次代を担う子どもたちの『生きる力』を育み、新しい時代に求められる資質や能力を身につけられるように、「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」の育成を図るほか、子どもたちの意欲や時代に対応した教育環境の整備を推進してまいります。
学校教育に関しては、教職員のICT活用能力の向上を図り、ICT機器の有効活用による授業改善に取り組むことで、「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に推進し、主体的・対話的で深い学びの実現に努めてまいります。
特別支援教育につきましては、就学前における早期の就学相談や支援を行うため、教育・医療・福祉と幼稚園等が連携し、発達が気になる子どもの状況把握、本人・保護者支援及び関係者の理解促進のさらなる充実に取り組んでまいります。
不登校の児童生徒への対応については、社会的自立を目指した「よんなあ教室」の継続など、居場所の確保や多様な教育機会を通して、個々の児童生徒に応じたきめ細やかな支援を行い、関係機関と協働した組織的な取り組みを実施してまいります。
地域と連携した教育につきましては、久米島の地域素材を活用した体験的な学習の積極的導入、地域連携型キャリア教育の推進及び充実により、SDGs実現の担い手育成や、島に誇りと夢を持てる人材の育成に努めてまいります。
学校施設の整備については、老朽化による不具合が多く見られますが、公共施設等包括管理により早期対応に努めているところです。また、雨漏りによって学校教育に支障があった球美中学校体育館の屋根修繕工事を実施してまいります。久米島西中学校体育館につきましては、順次実施する予定です。
教職員の働き方改革については、統合型校務支援システムの更新、学校用グループウェアの導入、中学校部活動指導員の効果的な活用などにより、教職員の業務軽減と効率化を図ります。そして、子どもたちと向き合う時間を確保することで、学校教育の質の向上につなげてまいります。
幼稚園教育については、子どもの成長を中心に据え、発達の段階を考慮した教育の連続性と一貫性のもとに、「幼稚園教育と小学校教育の円滑な接続の推進」に努めてまいります。
学校給食につきましては、安全で安心な給食を提供するとともに、食に関する正しい知識を身に付け、健全な食生活を実践できる判断力を育むために、学校と連携した「食に関する指導」の充実に取り組んでまいります。
また、物価高騰の影響で学校給食費の値上げを余儀なくされる中においても、学校給食費の補助率を1/3から1/2へ引き上げるとともに、学校給食費では補えない分については給食食材料費支援を継続実施し、子育て世帯への経済的な負担軽減を図ってまいります。
さらに、老朽化により更新を予定している学校給食センターについては「食の拠点施設」として、幼稚園、高齢者、及び障がい者向け配食サービスの提供も予定しております。令和7年1月から工事に着手し、令和8年度内の供用開始に向けて取り組んでまいります。
学校規模適正化・適正配置の取り組みにつきましては、様々な要素が絡む困難な課題です。しかし、児童生徒にとってより良い教育環境の構築や質の高い学校教育の実現、持続可能な教育の推進という視点に立ち、保護者や町民との共通理解を図りながら、引き続き取り組んでまいります。
今年度は、これまで行ってきた調査研究結果を踏まえ、本町における適正規模のあり方について基本的な考え方を整理します。そして、「久米島町幼小中学校適正規模・適正配置に関する基本方針」及び「学校再編計画」の策定に向け、具体的な取り組みを進めてまいります。
生涯学習については、幅広い年代が参加できるように各種講座を開催し、町民ニーズに対応した学習機会の創出と充実に取り組んでまいります。また、地域文化やスポーツの向上、生活文化の振興を目的とした活動を行っている各社会教育団体の活動を引き続き支援してまいります。
久米島高校への支援については、「まちづくりプロジェクト」、「離島留学」、「町営塾および中学校まなびや」の3つの柱に沿った取り組みを充実させていくとともに、生徒や保護者だけでなく地域に対しても取り組み内容などについて、広報や啓発に努めてまいります。
文化振興については、町民が文化活動に親しめるよう、久米島町文化協会と連携を図りながら、関連行事の活性化を促進し、文化活動の充実と発展に努めてまいります。
文化財保護に関しては、久米の五枝のマツの松くい虫防除対策や、災害により毀損した宇江城城跡、具志川城跡の修復を進めるほか、伊敷索城跡についても調査を継続して取り組んでまいります。
博物館では、収蔵資料の保存管理をはじめ、各種展示会のほか、町民や児童生徒を対象とした講座や教室を開催し、歴史や文化に関する情報発信に努めてまいります。また、古文書の保存・活用につきましては、過去に修復に成功した上江洲家の古文書が国の重要文化財に指定されました。まだ数多く存在する古文書の修復に向けて、引き続き取り組んでまいります。
町史編集については、現在「考古編」、「文献資料編」、「自然編」の3つの編集作業を行っています。引き続き、編集計画に基づいて調査および資料の収集を行い、刊行に向けて取り組んでまいります。
ホタル館では、豊かな自然環境を後世に遺すことを目的として、多くの皆様に島の貴重な自然環境について知り、学ぶ機会を提供してまいります。

◆公共事業の取り組み
公共事業については、地域経済の振興と地元企業の育成を図るため、地元の企業で対応できるものは優先的に地元企業へ発注するよう努めてまいります。また、県発注工事についても同様の取り組みを行うよう要請してまいります。
町道整備については、大原ビーチ線、宇江城城址線および比嘉6号線の道路整備に引き続き取り組みます。計画的に進めている橋梁保全については、2橋の補修工事を行ってまいります。
農業基盤整備に関しては、清水地区の水質保全対策事業を継続して取り組んでまいります。また、新規採択で進めている山城地区の法面崩落対策については、実施設計に取り組む予定です。
漁港整備については、補助事業の採択や漁業者の就労環境向上に努めてまいります。
さらに、激甚化・頻発化する自然災害に対応するための施設整備や、災害を未然に防止するための事業にも取り組んでまいります。