くらし 令和7年 施政方針(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 沖縄県久米島町
- 広報紙名 : 広報くめじま 2025年4月号
◆はじめに
はいさいぐすーよー ちゅーうがなびら
令和7年3月定例会の開会にあたり、町政運営の基本となる令和7年度予算案をはじめ、諸議案の説明に先立ち、町政運営にあたって私の所信の一端を申し上げ、議員各位ならびに町民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
私にとりまして、就任から3回目の施政方針となりますが、公約として掲げた政策を着実に実行していく決意とともに、新たな取り組みも進めてまいります。
まず、国におきましては、石破首相が去る1月の通常国会での施政方針演説で、「今年は戦後80年、そして昭和の元号で100年にあたる節目の年です。これまでの日本の歩みを振り返り、これからの新しい日本を考える年にしてまいります。そのためには、わが国の直面する現実を直視しなければなりません。
わが国の生産年齢人口は、これからの20年で1500万人弱、2割以上が減少すると見込まれます。このような中、かつて人口増加期につくり上げられた経済社会システムを検証し、中長期的に信頼される持続可能なシステムへと変換していくことが求められています。今や、わが国は「人材希少社会」に入っています。年齢や障がいの有無にかかわらず希少な人材を大事にする社会づくり、すなわち、国民一人一人の幸福実現を可能にする人中心の国づくりを進め、すべての人が幸せを実感できる、「人を財産として尊重する人材尊重社会」を築いていく必要があります」と冒頭で述べられています。
沖縄県におきましては、「観光需要の増加や雇用情勢の持ち直しが続いていますが、長引く物価高騰や各業界における深刻な人手不足、賃金上昇への対応など、県経済が直面する課題への対応が重要である」とされています。また、「強くしなやかな自立型経済の構築に向けて、観光関連産業をはじめとする各種産業の振興による県経済の再生と、県民の安全・安心な暮らしを取り戻すために積極的に取り組む」とも述べられています。
さらに、「令和7年度は、沖縄戦終結から80年の節目の年であり、これまでの歴史を振り返り、先の大戦の犠牲者を追悼するとともに、未来へ向けて、県民一人一人、そして沖縄を訪れるすべての人々を含めて、平和で豊かな沖縄を目指すために、戦後80周年平和記念事業に取り組む」とされています。
さて、町政運営の推進においては、国や沖縄県の動向を注視してまいります。少子化が進む中、子育て支援の強化は喫緊の課題となっております。本町においても、こども政策は、こどもや家庭を取り巻く環境の課題に迅速かつ包括的に対応し、子育て支援のさらなる強化を図ることを目的として、「こども未来課」を新設いたします。
本町の行政運営の指針となる総合計画の策定につきましては、現行の第2次久米島町総合計画が令和7年度に期限を迎えることから、次期総合計画の策定に取り組んでいるところです。新たな総合計画については、これまでの各種施策の評価や検証、国が進めるデジタル化の推進、さらには国や県の各種計画の動向などを踏まえつつ、将来の久米島町のまちづくりを見据えて策定します。
そして、時代は高度情報化社会、人口減少社会、グローバル社会へと移行しています。これまでにない変革が我々に求められています。私たちも多くの課題解決に向け、果敢に挑戦する年にしたいと考えています。
ここからは、私の町政運営の基本的な考え方を申し上げます。
◆農林水産業の活性化
農業振興については、地域農業の将来の在り方を定めた地域計画を基に、農地の流動化を図り、地域の実態に即した農地の確保および有効活用を推進します。また、農業従事者の担い手を確保するために、新規就農者への営農指導や就農支援を行うとともに、認定農業者の育成および支援に取り組んでまいります。
さとうきび振興については、久米島さとうきび振興協議会等と連携し、優良種苗の安定確保に努めるとともに、肥培管理作業などの機械化やスマート農業を推進してまいります。
甘しょや野菜については、優良種苗の普及拡大や病害虫の防除対策に努め、生産性および品質の向上を図ってまいります。
花卉振興については、各団体と連携し、生産拡大に向けて取り組んでまいります。
高付加価値が期待されるコーヒーやバニラについては、農家や関係機関と連携を図り、安定生産と品質確保に向けて取り組んでまいります。
畜産振興については、トップセールスによる久米島産子牛のPRに取り組むとともに、畜産農家に対しては、優良繁殖雌牛の導入による子牛生産の拡大や共済加入の促進を図ります。また、飼料価格の高騰やセリ価格の低迷により経営が厳しい状況にあるため、市場価格を注視しながら飼料購入支援を継続して実施いたします。
既存のと畜場は、昭和39年に整備されたものであり、老朽化が著しく、さらに衛生管理対策が必要とされています。そのため、基準を満たした新たな施設整備に向けて取り組んでまいります。
水産業の振興については、「浜の活力再生プラン」に基づき、久米島漁業協同組合と連携して、漁場環境の整備・保全に努めてまいります。また、共済加入の促進を図り、漁業経営の安定化に向けて取り組んでまいります。