健康 公立久米島病院だより

【電話】985-5555

受付時間:
・午前…8時30分~11時
・午後…1時~4時

・7・8月の休診日:毎週日曜・月曜、7/22(海の日の振り替え)

◆シックデイ(Sick day)に関するおはなし
内科 眞船俊大(東京ベイ・浦安)
4月から来ています内科の眞船です。久米島ではご縁があって「球美コーラル楽笑部」という合唱サークルに個人的に参加させてもらっています。色々なバックグラウンドの方々が一つのハーモニーを奏でるために熱心に練習に取り組んでいます。
さて、今回は、シックデイ(Sick day)に関してお話ししようと思います。シックデイという言葉を聞いたことありますでしょうか。主に糖尿病治療中に、発熱などで体調を崩し、食事や水分が十分に取れないときのことです。食事が取れていなくても、感染などのストレスによりホルモンが分泌され高血糖になることもあり、血糖コントロールが乱れやすくなります。
下記「対応ポイント」にもありますが、飲み薬は一時的に中止が必要な場合があります。自己判断で中止するのは危険ですので、あらかじめ一度主治医に相談してみましょう。

◇注意が必要なお薬の例
・中止が必要なことがある主な薬
(1)SGLT2阻害薬(ジャディアンス、フォシーガなど)
(2)ビグアナイド薬(メトホルミン、エクメットなど)
※その他の糖尿病治療薬は、食事の摂取量に応じて減量や中止することがあります。

・糖尿病以外のお薬も注意!
(1)鎮痛薬のNSAIDs(ロキソニンやセレコキシブなど)
(2)降圧薬のACE阻害薬(~プリル…エナラプリルなど)
(3)ARB(~サルタン…バルサルタン、テルミサルタン、オルメサルタンなど)
※利尿薬なども脱水時には注意が必要です。

◇シックデイの対応ポイント
(1)安静と保温に努め、早めに病院に連絡しましょう
(2)水やお茶などで水分摂取を心がけ脱水を防ぎましょう
(3)食欲がなくても可能な限り食事(消化に良い炭水化物)を摂取しましょう
(4)インスリンは自己判断でやめないようにしましょう
(5)飲み薬は量の調整や中止が必要な場合があります。

◆子どもに見られる夏の皮膚トラブル
小児科 渡邉 幸
今回は夏にみられやすい子どもの皮膚トラブルとケアについてお話ししたいと思います。

◇とびひ(伝染性膿化疹)
虫刺されやあせもなどをひっ掻いた傷に、体温の上昇で活発になった細菌が感染して起こる。掻いた手で他の場所をかくことで「飛び火」のようにどんどん拡がる。
・発疹の特徴
直径1~3cmくらいの、水ぶくれやかさぶたのついたじくじくした発疹。
・家庭でのケア
患部の表面についている細菌を石鹸の泡でよく洗い落とす。
・治療
抗生剤入りの軟膏を塗布。全身に広がる時は抗生剤を内服
・生活上の注意
とびひが広範囲の場合や、衣服でおおえない部位にある時は登園・登校は控える。プールはとびひの発疹が治ってから。

◇乳児湿疹
おむつやよだれかけで蒸れたり、汗による刺激で皮膚に炎症を起こす。アレルギーが原因となる場合も。
・発疹の特徴
首やおむつ周り、手足の関節などの擦れる部分に、赤いポツポツから始まり、悪化するとベタっとした湿疹が拡がる。
・家庭でのケア
首周りや脇の下お尻周りなど汚れが溜まりやすい部位を泡で丁寧に洗った後、確実に泡を洗い流す。
・治療
まずはスキンケア。悪化した場合は弱いステロイド剤軟膏と保湿。

◇あせも(汗疹)
汗や汚れで毛穴が詰まって、皮膚に炎症を起こした状態。皮膚表面の「白い汗疹」は数日で治るが、皮膚の深い部分の炎症による「赤い汗疹」は痒みが強く治りにくく、とびひになることも。
・家庭でのケア
汗をかいたらこまめに拭くか洗い流す。痒みが強い時は冷やす。
・治療
軽い症状には肌の炎症を抑えて毛穴を引き締めるカラミンローション。赤い汗疹には、ステロイドなど炎症を抑える軟膏を使用。

暑くなると毛穴が汚れやすく皮膚トラブルを起こしやすいです。普段から、(1)通気の良い服装、(2)泡で背中や首、脇を洗浄、(3)保湿、をぜひ意識してみてください。