- 発行日 :
- 自治体名 : 沖縄県久米島町
- 広報紙名 : 広報くめじま 2025年10月号
【電話】985-5555
受付時間:
・午前…8時30分~11時
・午後…1時~4時
・10・11月の休診日:毎週日曜・月曜、10/14(火)、11/25(火)
◆久米島での医師経験で感じたこと
東京ベイ浦安市川医療センター 藤井 敦美
東京ベイ浦安市川医療センターから地域研修として、久米島病院での勤務をしておりました藤井敦美です。地域研修先は複数あるのですが、一昨年たまたま久米島に派遣されて以降、久米島が大好きで去年と今年も選んで来させていただきました。
3年間の中で、病院は色々と変化がありました。医師たちと同様、他のスタッフたちも入れ替わったり、人手不足であったり、離島医療の難しさを感じました。そんな中でもいい医療を提供できるように、カルテを工夫したり、診療体制を見直したりと、スタッフの皆さんの工夫と熱意を感じるばかりでした。
病院が変わっても、島の良さは変わらずそこにあったとも同時に感じています。綺麗な空と白い砂浜、近くで見ると透明で遠くから見ると綺麗な青色の海、少し移動すれば海亀に出会える。一昨年初めて来た時に感動した覚えがありますが、何度来てもその感動は色褪せません。さらには島の人たち。小さい子供たちからおじいおばあまで、診療させてもらいましたが、こちらが元気をもらうようなエネルギーを感じました。
離島を取り囲む事情は一筋縄ではいかないことは、住んでみて・仕事をしてみて肌で感じることができました。それでも、変わりゆくことはあれど、変わらない久米島の良さは確かにそこにあると思います。どうか素敵な久米島が、今後もずっと、素敵でありますように。
毎年の地域研修は今年で終了し、定期的な来島はなくなります。また、ぜひ、この島の医療に関われるといいなと心から思います。貴重な機会を私に恵んでくださった島の皆さん、本当にありがとうございました!
◆「心の不調サインを知る」
小児科 渡邉 幸
二学期がスタートしました。暑さが和らぐ一方で、夏休み明けの疲れが少しずつ出てくる時期でもあります。
身体の不調には気付きやすいですが、心の不調は見過ごしがちです。熱が出れば休み、怪我をすれば手当をしますが、心の不調は「怠けている」「わがまま」と捉えてしまいます。
心の不調は、大事な人の病気や人間関係のトラブル、日々のタスクが多すぎるなど、さまざまな原因でおきます。一度に大きなダメージが加わる事もあれば、小さなストレスが積み重なって不調となることもあります。
◇心の不調のサイン(例)
1.できていたことが、できなくなる(宿題、家事等)
2.怒りっぽくなる(今まで怒らなかった場面で怒る)
3.身体の症状が出る(腹痛、頭痛など)
◇大人の心のサインとセルフケア
大人の場合、嫌な出来事の後にこのようなサインがあれば、「休む時間を作る」「家事を人に頼む」「しっかり寝る」「美味しいものを食べる」など自分をいたわることができます。風邪の引きはじめの漢方のように、軽い症状のうちに対処すると、大きな不調を防ぐことができます。
◇子どもの心のサインに気づくために
子どもの場合はどうでしょう。いつもより怒りっぽくなったり、普段できていた事をしなくなった時、親はつい叱りがちです。そうなると心の不調は逆に悪化します。子どもに普段と違う様子が見られたら、まずは「どうした?」「何かあった?」と声をかけましょう。特に小学生以降になる自分から話さないことも多いです。聞いてみると思いもしないような出来事があったり、ゆっくり話をするだけで心が軽くなる場合もあります。
腹痛や頭痛など「身体の不調」がある時は、まず病院で病気がないかを確認しましょう。異常がなければ、心の不調からくるサインかもしれません。自分のタスクを調整して睡眠時間を確保し、カードゲームなど親子で楽しく過ごす時間を意識しましょう。身体に不調がでやすいお子さんは、自分ではストレスを自覚しにくいことも多いです。原因追及にこだわらず、学校や園にも様子を確認しつつ、見守る姿勢も大切です。「食欲がなくなる」「好きだったこともしなくなる」「表情が暗い」などは、心がだいぶ疲れているサインです。医療機関や学校カウンセラー等に相談しましょう。
自分も子どもも「心のサイン」に気をつけて、こまめな心のケアをこころがけましょう。
