イベント 【特集】インクルージョン(2)

■展覧会
「つくる冒険 日本のアール・ブリュット45人
―たとえば「も」を何百回と書く。」

この夏、北海道立函館美術館で開催される展覧会。45人のつくり手による日本のアール・ブリュット作品約450点が展示されます。日本語では「生(なま)の芸術」と訳されてきたアール・ブリュット(ArtBrut)。1940年代、フランスの画家、ジャン・デュビュッフェが、既存の文化の枠組みには収まらないような、独学のつくり手などの作品に心を打たれ、提唱した美術の概念です。
この展覧会では、45名のつくり手たちによるさまざまな表現を通して、多様な世界観に触れることが出来ます。また、函館展特別展示として、道南地域で活動している俉樓賢太、佐久間智之、佐藤朱美の作品も展示します。

◇(見どころ1)日本のアール・ブリュット作品数 約450点
2010年、パリで注目を集めた「アール・ブリュット・ジャポネ展」。日本国内7館で凱旋展も開催された貴重なコレクション(滋賀県立美術館所蔵日本財団コレクション)が、ついに函館へ。世界でも注目を浴びた貴重なアール・ブリュット作品約450点を函館で一度に観ることができる機会です。

◇(見どころ2)身近なモノ、日々の暮らしのなかから生まれた作品
例えばダンボール、雑誌、チラシ、コピー用紙、方眼紙、粘土やマーカーなどから生み出される作品たち。生活することの延長線上で、つくることへとつながる冒険をご覧ください。

◇(見どころ3)北海道のつくり手4名の作品が故郷に里帰り
本展のコレクションには、北海道で作品制作を行ったつくり手4名の作品も含まれます。里帰りを果たす作品にぜひ会いに来てください。

◇関連イベント情報
展覧会の会期中、さまざまな角度から子どもも大人も、また障がいのある人もない人も、みんながこの展覧会を楽しむためのイベントをたくさん実施します。
ほぼ毎週末にイベントあり!

▽基本情報
会期:7/12(土)~9/7(日)
休館:月曜日(7/21、8/11は除く)、7/22(火)、8/12(火)
時間:9:30~17:00(入場は16:30まで)
会場:北海道立函館美術館 特別展示室
住所:函館市五稜郭町37-6
料金:一般920(720)円、高大生610(410)円、小中生300(200)円
※( )内は10名以上の団体料金。未就学児無料(要保護者同伴)。リピーター割引、親子割引など、お得な料金もあります。
※無料になる方:身体障害者手帳や療育手帳、精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方(ミライロID利用可)及びその介護者(1名)など。
※学校の教育活動で利用する場合は無料。

■子どもでもわかる、インクルージョン 夏休みに読んでほしい本 5選
◇函館市中央図書館 認定司書 宮本さん
函館市中央図書館は、誰でも利用できるまさに「インクルーシブ」な施設で、関連書籍も多く取り扱っています。
これから暑くなりますが、図書館の中は涼しいですよ。夏休みを迎えるお子様の調べ学習のお手伝いもできますので、たくさんの方のご来館をお待ちしています。

▽新しい心のバリアフリーずかん
きみの「あたりまえ」を見直そう!
(中野泰志 監修/ほるぷ出版 刊)
「心のバリアフリー」は、「だれもがくらしやすい社会」を実現するために、社会によって生み出されたバリアや、自分の心のバリアに気づき、考え、行動すること。本書では、当事者の声を聞き、困っている人を見かけたときに、だれもが行動を起こせるようなヒントや実践例を多数掲載。

▽LGBTだけじゃない!わたしの性(全4巻)
(佐々木掌子・長谷川奉延 監修/国土社 刊)
自分と他人の性を大切にしていけるよう、さまざまな性のありかたを学ぶことができるシリーズ。柔らかいイラストやマンガを通して、学校や友人関係などで生じる具体的な悩みや疑問について1つずつ丁寧に紹介。

▽「ちがい」ってなんだ?
障害について知る本
(井筒節・飯山智史・町田紘太 監修/Gakken 刊)
誰ひとり取り残さない世界に向けて「障害」の考え方や、世の中の変化を学べる1冊。学校や街中での事例がもとになっていて、自分に身近なできごととして考えやすい内容。

▽おはなしSDGs ジェンダー平等を実現しよう
すし屋のすてきな春原さん
(戸森しるこ 作/しんやゆう子 絵/講談社 刊)
小学5年生の主人公は、離婚した父に連れてきてもらったお寿司やさんで女性の寿司職人・春原(すのはら)さんに出会う。クラスメイトの女子の将来寿司職人になりたいという夢を否定されたときに声をあげられなかった主人公。春原さんのお店へクラスメイトを連れて行くことに。

▽みんなで考えよう!「性」のこと
「ふつう」って何?性はいろいろ
(田代美江子 監修/アルバ 編著/金の星社 刊)
誰もが生きやすい社会を目指すには、性について一人ひとりが考え、認め合い、行動にうつすことが大切。国際的な性教育の指針に基づく、性別に対する思いこみや、ジェンダーバイアスなども解説。本書でその第一歩を。

問合せ:函館市中央図書館
住所…函館市五稜郭町26番1号
【電話】35-5500
時間…9:30~20:00
休館…毎週水曜日、毎月最終金曜日