くらし 【特集】インクルージョン(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道函館市
- 広報紙名 : 市政はこだて 令和7年7月号
みんなちがって
みんないい。
ちがいがあることは、困ったことなのでしょうか?
年齢、性別、障がいの有無、国籍、価値観、育った環境。わたしたちは誰一人として同じではありません。けれども、だからこそ、対話やかかわりの中で学び合い、支え合う力が生まれます。
いま、社会のあらゆる場面で求められている「インクルージョン」という考え方。
それは、だれひとり取り残されることなく、安心して、自分らしく暮らせる社会をつくるためのキーワードです。
この特集では、市長とインクルージョン未来アンバサダーの3人の方の声を通して、インクルージョンの本質に触れてみたいと思います。
■株式会社マルカツ興産(柳沢政人社長)の所有する観光遊覧船「ブルームーン」は、函館の未来につなげるため障がい者のアート作品をデザインに採用。原画は「BLUE Hakodateプロジェクト(藤田道子代表)」に出展された作品。※これは市の事業ではありません。
web版はカラーです!(※本紙二次元コード参照)
■誰も排除しない。誰も排除されない。
函館市長 大泉 潤(おおいずみ じゅん)
社会とは、家庭や職場、地域から、国や世界といった大きな枠組みまで、さまざまなかたちがあります。どんな社会にも共通するのは、「排除」が思わぬところで起きてしまいやすいということ。では、それを防ぐにはどうすればいいのか。わたしはインクルージョンという考え方が排除を防ぐための大切な力になると信じています。
さまざまな違いを受け入れ、互いに尊重し、共に生きる。多様な人が暮らしやすいまちは、結果的に誰にとっても暮らしやすいまちになると考えています。
市民のみなさまの知恵と想いを重ねながら、函館らしいインクルージョンのあり方を一緒に育てていきたいと思います。
■インクルージョン未来アンバサダー
◆池崎 大輔(いけざき だいすけ)氏(パラアスリート)
それぞれの個性を理解し、性別、人種、国籍、障がいの有無に関わらず、誰もが平等に受け入れてもらえる社会。その実現には、個々の価値を尊重し認め合える環境作りと情報発信が必要です。自分は障がいと共に人生を歩んでいますが、障がいの有無に関わらず、困難や悩みを抱えてる人はいます。皆さんの周りには話を聞いてくれている人はいますか?それぞれの個性や価値が理解されれば、人は生き生きとした人生を送ることができ、誰もが住みやすい町や社会に繋がります。
一人一人の意識で社会が変わる。変えられると思っています。
◇プロフィール
函館出身の車いすラグビー日本代表選手であり、競技を通じてパラスポーツの発展に寄与し、世界大会での活躍は日本中に感動を与えるなどインクルージョンの普及に大きく貢献している。リオデジャネイロ2016パラリンピックでは銅メダル獲得、パリ2024パラリンピックでは金メダル獲得。
◆辻 沙絵(つじ さえ)氏(パラアスリート)
私にとってのインクルージョンとは、障がいの有無、性別や国籍など、様々な立場の人が、お互いの立場を知り、認め合えることではないかと考えています。まだ世の中の制度や、仕組み、設計などがすべての立場の人にとって、良いものとは言い難い現状がありますが、前向きに、一つ一つより良い方向に変えていくためには、お互いを知り、認め合う、尊重し合うことからすべては始まると思います。
「みんな違って、みんないい」という言葉があるように、皆さんと一緒に違いを認め合い、すべての立場の人にとってより良い世の中にしていけるようアクションしていきたいです。
◇プロフィール
函館出身の陸上選手であり、競技を通じてパラスポーツの発展に寄与し、世界大会での活躍は日本中に感動を与えるなどインクルージョンの普及に大きく貢献している。リオデジャネイロ2016パラリンピックで銅メダル獲得、東京2020パラリンピック、パリ2024パラリンピック入賞。
◆鶴田 能史(つるた たかふみ)氏(ファッションデザイナー)
私はファッションデザイナーとして、年齢・国籍・性別・障がいの有無を問わず誰もが輝けるファッションを発信し続けております。
私がプロデュースしているHAKODATE COLLECTIONでは障がいのあるモデルが当たり前のように参加してます。誰も取り残さない事を大切にし、未来を作っていく希望あふれる子どもたちが、安心して歩める轍(わだち)を残していくことが大人の使命だと思います。
私はファッションデザイナーとして『オシャレに』発信していくことを心がけております。本年4月に、障がいのあるアーティストの絵を採用した遊覧船「ブルームーン」のラッピングデザインをさせていただきました。輝かしい未来に繋がる大航海を発信し続けます。
◇プロフィール
函館市で開催されるユニバーサルファッションショー「HAKODATE COLLECTION」(2023年度~)を総合プロデュースし、ファッションを通じて障がい者や性的少数者等をモデルに起用し、全ての人に希望を与えるなどインクルージョンの普及に大きく貢献している。