くらし 動物園からの手紙【420通目】

■自然と人の間で
桜のシーズンも終わり、新緑や田んぼに張られた水がキラキラと輝いています。今年は桜の開花のニュースよりもヒグマの出没やエゾシカを襲っている、食べているなどの目撃ニュースの方が多かったのではと感じました。目撃情報が増えているのはヒグマが人の生活圏の近くに現れる頻度が高くなっている、日中に活動的になっているなどの傾向はあると思いますが、道民の関心が高くなっているから今までは気付かなかったけど気付くようになった、あるいは今までは見たけど通報しなかった情報が集まるようになり、結果的に目撃が増えている一面もあるのでしょう。ヒグマの数が「爆発的」に増えている訳ではないことに注意が必要だと思います。自分もヒグマに関心が高いのでネットでチェックするのですが、自分の開くネットニュースで、自分だけ優位にヒグマ関連のニュースが多く表示されるのかもしれませんね…。
本来のヒグマは草食傾向が強く、肉食はまれと一般的には言われていますが果たしてそうなのでしょうか?明治から昭和にかけてエゾシカは豪雪の影響や狩猟により激減しました。絶滅宣言が出されたり禁猟になったりもしていました。その様な状態が数十年続き、食べたくてもいなくなってしまったのです。その代わりにフキやドングリなどが食べ放題、そんな食生活が何世代にもわたり続いていたのだと思います。現在は明治以前の状態に戻りつつあるのでは、そんなことを考えたりもします。
一昨年に保護、収容したすなすけは、二冬を超えヒグマらしい容貌になってきました。ですがまだまだ子供の無邪気な一面が顔を出します。「警戒心より好奇心」そんな一面が見られます。すなすけは野生にいたら独り立ちをして自分の新たなすみかを見つけなければいけません。新たな場所に踏み出すには「警戒心より好奇心」はとても大事な感性かもしれませんね。でもそれが人里に近づき過ぎ、捕獲駆除せざるを得ないことにもつながってしまいます。すなすけの無邪気な姿を見ながらふと考えてしまいました。

■旭山ピックアップ Asahiyama Zoo pickup
▽「いのちの青年弁論」(初開催)
「いのち」にまつわる想いを、上川管内の高校生たちが自分の言葉で語ります。
詳しくは同園HPから(2次元コードは本紙をご覧ください)
▽シマフクロウのぬりえ(募集中)
詳しくは同園HPから(2次元コードは本紙をご覧ください)
▽開園58周年記念日
7/1(火)は旭山動物園の開園記念日。特別なイベントを実施予定です。

■動物園をもっと楽しむ
動物園では他にもイベントいろいろ!園内イベントの詳細は決まり次第、同園HPに掲載
夏期開園日・時間:
・10/15(水)まで 9:30~17:15
・10/16(木)~11/3(月) 9:30~16:30
※期間中は無休。いずれも入園は16:00まで。

詳細:旭山動物園(東旭川町倉沼)
【電話】36-1104