- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道富良野市
- 広報紙名 : 広報ふらの 2025年4月号 No.763
■協会病院の医療機器更新のためのクラウドファンディング(CF)
・富良野医師会 角谷(かくや) 不二雄さん
最近、公立・公的病院の経営が危ないという報道が多くみられます。「11病院を運営するJA新潟厚生連は24年度の赤字が74億円の見込み、25年度にも資金が枯渇し病院の運営が困難になる可能性。診療手当・ボーナスのカットなどで赤字を減らす予定」「市立室蘭総合病院は18億円の赤字見通し、新年度から2年間12%給与削減を提案」「留萌市立病院は296床中、地域包括ケア病棟と療養病棟計99床を廃止し、一般病棟も144床まで削減することで国の24年度補正予算の緊急支援策を活用し6億2千万円の助成を受ける。他に経営改善推進事業債を約17億円発行し累積赤字を削減する。なお、同院は24年10~12月に心臓カテーテルシステムの更新費用をCFで募り1693万円を集めた」分娩や小児科、救急など非効率でどうしても赤字になる政策医療、コロナ禍以降の入院数減少、人件費の増加、物価の高騰などが経営危機の要因です。
北海道社会事業協会が運営する公的病院である富良野協会病院も、24年度当期純利益で6.1億円の赤字が見込まれています。とくに救急医療に係わる負担が膨大です。なお、この額は人員削減、ボーナス削減、医療機器の非更新などで減らした結果です。しかも、公立病院とは違い、「その収入のみをもって充てることが困難な経費」への自治体繰出金や経営改善推進事業債による補填などありません。そこで、当院は留萌市立病院と同様に病床削減(255床を199床に)により、約2億3千万円の助成を受けることにしました。また、老朽化した医療機器(外科内視鏡、麻酔記録システムなど)更新のため、当院も6月からCFを行う予定です。市民の皆様のご支援をいただければたいへんありがたいです。