文化 市史編さんコラム「市史の余白」

今回は、伊達市の遺跡や発掘調査についてご紹介します。

◆第5回『土の中に残された伊達市の歴史』
東北芸術工科大学芸術学部歴史遺産学科 教授 青野 友哉

伊達市には世界文化遺産である北黄金貝塚をはじめとした90ヵ所もの遺跡があります。
市史続刊ではこれらのうち1990年以降に発掘調査された遺跡を対象としましたが、変わり種として「旧伊達邸庭園」(開拓記念館庭園)の発掘調査についても記しています。
旧伊達邸庭園は明治3年以降に使用された伊達家当主の邸宅などを含む敷地ですので、正確には「遺跡」ではありません。しかし、市が指定する「史跡」のため、下水道工事や電気設備工事の際に調査を行いました。すると、現在建っている迎賓館の北側約2mの場所から別の建物の礎石が見つかり、かつて北側にあった邸宅と迎賓館を結ぶ渡り廊下があった可能性が出てきました。また、庭園の北・東・南を巡る土塁は、だて歴史文化ミュージアムとの境界にもかつては存在していたことが分かりました。
このように、つい100年前のことでも分からないことや忘れられてしまったことが多いのです。
考古学的な発掘調査では、記録に残されない事実を明らかにすることができるので、市史続刊には縄文遺跡や有珠地区のアイヌ文化など、伊達市の歴史・文化の情報をふんだんに盛り込みました。さらに、地域住民と行政がともに行った世界文化遺産登録の経緯や歴史を活かしたまちづくりについても現代の歴史として記録に残しています。
ところで、写真は旧伊達邸庭園から出土したフォークで、他にもガラス製のポマード瓶などが見つかっています。「もしかして伊達邦成公が使ったものかな?」などと考えながら、ワクワクして発掘した日々が想い出されます。

問合せ:総務課総務係(市役所2階)
【電話】82-3162