健康 福島町健康づくり推進協議会~福島町三師会の健康情報コーナー

■胃の『ABC検診』を受けましたか?~福島町の胃がん検診~
胃がんの発生にはピロリ菌感染が深くかかわっていて、世界保健機関(WHO)は1994年にピロリ菌を発がん物質と認定しました。
東京のNPO法人胃がん予知・診断・治療研究機構は、ピロリ菌感染と胃粘膜の萎縮の程度を組み合わせた『ABC検診』という胃がんリスク層別化検診を発表しています。
A~Dの4群に分類し、A群はピロリ菌感染がなく、胃粘膜の萎縮もなく、胃がんリスクがほとんどない超低危険群のことです。

福島町は平成24年から、『ABC検診』を実施していて、私は12年間の検診結果をNPO法人の機関紙に最近発表しました。
全期間の検診受診者は30歳以上で構成される人口の約61%にあたる1,817人になりました。
A群が1番多く53.8%、次にC群・B群と多くいました。

■ABC検診で発見された12年間の福島町の胃がんの件数

12年間で32人の胃がん患者がA群以外の群から発見されました。
C群が15人(46.9%)と1番多く、E・D・Bの順に少ないです。『ABC検診』による胃がん発見率はレントゲン検診よりも何十倍も高く、32人の胃がん患者のうち治る早期胃がんは27人(84.3%)と多くいました。

福島町の検診結果でもA群からの胃がん患者はいないことがわかり、町民の約半数が胃がんにかかる危険性が無いと言えます。
E群(除菌後の群)からも多くの胃がん発生があったので、A群以外のBからE群と分類された人は、「胃がん検診」として必ず定期的に胃カメラ検査を受ける必要があります。
まだ、胃の『ABC検診』を受けていない町民は、早めにピロリ菌に感染していないかをチェックしましょう。
(文責:小笠原内科消化器科クリニック 小笠原 実)

問い合わせ:福島町健康づくり推進協議会(福祉課内)
【電話】47-4682