くらし 令和7年度 教育行政執行方針(1)

令和7年第1回鹿部町議会定例会の開会にあたり、教育委員会所管に関する執行方針について申し上げます。
はじめに、町内の教育分野における昨今の状況と今後の見通しについて申し上げます。
大規模な改修工事に着手した総合体育館は、アリーナ屋根や外壁の改修に続いて、内部や機械設備の改修を進め、令和7年度は遠赤外線暖房機の修繕をし、公民館につきましてもストーブの改修工事を実施するなど、これからは町民が安心して長く利用できるように利便性の高い施設の運用に努めてまいります。
地球規模の温暖化が影響する学校施設の暑さ対策については、幼稚園や小中学校などにエアコンを配備するとともに、これまで慣習的にそれぞれ25日間で設定していた長期休業期間を見直し、夏季休業30日間、冬季休業20日間とするなど、これからも柔軟な対応で熱中症事故の未然防止に努めてまいります。
また、「公私連携幼保連携型認定こども園」については、様々な理由により、開園時期を修正しましたが、令和10年4月に開園することで決定し、その開園に向けて準備を進めてまいります。
さらに、小学校と中学校は、ふるさとに誇りをもち、未来の鹿部を支える人材を育成するための特色のある教育課程が編成できる「義務教育学校」制度の導入を決定し、小中一貫型・施設一体型の「義務教育学校」として、令和9年4月の開校に向けて準備を進めてまいります。
全国的に増加が絶えない不登校に対する支援については、学校・家庭・行政が連携しサポートする中で、教育支援センター「マイルーム」が「心の拠り所」として機能しておりますので、引き続き不登校で悩む児童生徒とその家族に寄り添った支援を行ってまいります。
本町が強力に推し進める子育て支援策については、「子ども未来きらきらプラン」による保護者の経済的負担軽減、きめ細やかな支援・配慮による心理的負担軽減により、あったか子育ての町として、その実績を積み上げられるよう努めます。
以上、令和7年度は目の前にある教育的課題に対して、スピード感をもって対応していくとともに、未来を見据えた教育施策を一歩一歩確実に積み上げていく、重要な年度として位置付け取り組んでまいります。
そして、人と人がつながり、豊かな地域コミュニティの輪の中で、地域社会を支える人材を地域全体で育てる「地域教育力」の高い社会の実現を目指して、教育行政を推進してまいります。
次に、第3期鹿部町教育大綱に基づき、令和7年度の主な施策について申し上げます。

■新たな社会を生きる力を育む教育の推進
一点目は「新たな社会を生きる力を育む教育の推進」についてです。
鹿部に学び、鹿部で育ち、「ふるさと鹿部」に愛着をもつ教育を進める中で、激しく変化する社会をたくましく生き抜き、夢や課題に新たな発想で挑戦していく力を身につけることができるように、子どもの成長段階に応じた質の高い教育・保育を推進します。
幼児教育については、子どもの笑顔や笑い声が溢れる温かみのある幼稚園において、先生や友達とかかわり合い、様々な遊びや活動を通し、自己効力感、自己信頼感の高い子どもの育成を図るとともに、幼小連携「しかべっ子架け橋プログラム」の一層の充実を図り、本町の強みである幼小中連携による一貫教育の更なる発展を可能とする強固な土台作りを行ってまいります。
また、令和10年4月開園予定の公私連携幼保連携型認定子ども園が、子育て支援の拠点として中核を担うことができるように、公私連携法人との協議を深めてまいります。
学校教育については、令和6年度に「学習者用デジタル教科書」を小学校へ導入したことに引き続き、令和7年度は中学校への導入を進め、「子どもが主語」の授業づくりがより一層実践される教育環境を整備してまいります。
また、GIGAスクール構想はタブレットの日常化を前提とした新たなフェーズに進んでおりますが、日々の授業での活用を通して「情報活用能力」を育成するばかりではなく、日常生活における生成AIの活用を含めた情報リテラシーを高め、デジタルシティズンシップ教育を推進して、質の高い情報モラルの育成に努めます。
プログラミング学習については、小学校でのプログラミング体験から中学校のテキストコーディングを学ぶ、系統的な学習の充実に努めるとともに、プログラミング教室「しかべデジタルキッズ」を継続し、より専門的な知識やスキルを磨き、資格取得に挑戦できる環境を整備してまいります。
主権者教育については、子どもたちが身近な問題や地域社会の問題を自分事として捉え、町づくりの構成員であるという意識づけをし、教科や行事、さらには生徒会活動の中で、主体性を身につけさせ、主権者としての意識を高めることができるよう努めます。
学力の向上については、本町では「家庭学習の習慣化」が大きな課題となっていることから、一人一台貸与しているパソコンで、常時使用することができるAIドリルを中心とした宿題を学校が配信するスタイルを定着させるとともに、自学自習がコンセプトの「学び場」を継続して、本町の教育が目指す「主体的に学び続ける自立した人間」の育成につなげます。
特別支援教育については、年々その必要性、重要性が高まっており、教職員の専門性の向上が常々求められていることから、研修などにより研鑽を深める機会を設けます。
また、「いつでも」、「どこでも」、「だれでも」必要な支援が必要な時に受けることができるように作成している「いずみファイル」を有効活用し、継続性のある、子どもの将来を見据えた支援の充実に努めます。
外国語教育については、小学校に英語専科教員を配置して、ALTと共に早期から「生きた英語」を学ぶことができる体制づくりを進めるとともに、デジタル教材を有効活用し、「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能を積極的に使うことができるよう英語力を育ててまいります。