- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道鹿部町
- 広報紙名 : 広報しかべ 2025年4月号
キャリア教育については、地域社会との連携・協力体制を深めて職場体験学習の充実を図るとともに、鹿部町で育ち、鹿部町で働く地域の方々の力を借りて、未来の鹿部町の担い手となる人材を育てます。
また、キャリアパスポートによる小中一貫したキャリア教育を推進することにより、児童生徒一人ひとりの発達段階に応じた指導が継続的に展開できるように取り組んでまいります。
豊かな心を育む教育の充実については、いじめにつながる差別や偏見、SNSによる誹謗中傷への対応、個々の違いや多様性を尊重する姿勢を養う教育など、教育活動全般の中で計画的に指導するとともに、基本となる人格形成は家庭にあるとの考えに基づき、家庭における教育力の向上を積極的に図ってまいります。
また、人権擁護委員に道徳授業の講師を依頼するなど、地域社会との連携による人権教育の充実を図ります。
ふるさと教育については、生活科や総合的な学習などにおいて、本町が進める産業や観光、発見から100年を迎えた北海道遺産の「しかべ間歇泉」、身近な世界遺産である「縄文遺跡群」についての理解を深めるとともに、修学旅行を通して「ふるさと鹿部」を外から見つめ直す場を設けるなど、ふるさとに誇りと愛着を持つ教育を推進してまいります。
また、本町をより深く理解するため、小学校の社会科副読本の改訂を行い、より活用しやすいようにデジタル化を進めてまいります。
さらに、地元食材を使った給食メニューや商品開発のプロセスを学び、生産に関わる体験的な学習を行う機会を作るなど、「食育」を通して地域循環型の経済に関する理解を促し、将来につながる教育を推進してまいります。
防災教育については、駒ヶ岳噴火や津波を想定した日常的な備えを行うとともに、状況に応じて、的確な判断の下に、子どもたち自らが安全を確保する行動ができるように、防災意識の向上に努めてまいります。
小中学校における一日防災学校では、火山専門家や関係機関との連携による特別授業などを通じて、身の回りの危険を予測・回避し、安全な生活に対する理解を深める機会の継続に努めます。
また、災害発生時および事後に、進んで身近な人々や高齢者、地域の方々の安全に役立つことができるよう、自助、共助、公助を基本とした地域防災力の向上につなげます。
■子どもが安心して学べる教育環境の整備・推進
二点目は、「子どもが安心して学べる教育環境の整備・推進」についてです。
今後も共存を余儀なくされる新型コロナウイルス感染症やインフルエンザ、猛暑による熱中症の危険性の高まり、増え続ける不登校児童生徒や子どもの自殺、SNSの進化に伴う誹謗中傷や人権侵害の問題など、子どもたちを取り巻く環境は、昨今の社会的背景によって大きく変化しておりますが、そんな環境の中でも、子どもたちが安心・安全に学ぶことができるような学校環境の整備を迅速に進めてまいります。
いじめについては、どの学校、どの学級、どの子にも起こりうるものであるという基本認識に立ち、いじめを生まない学校づくりに取り組んでおり、本町では「鹿部町いじめ防止基本方針」に基づき、学校、家庭、地域、関係機関などと緊密に連携し、未然防止や早期発見、早期対応に万全を期する体制の強化に努めてまいります。
また、いじめを含む心のケアについては、スクールカウンセラーなどの専門職員の配置や、いじめ対応に係る「教職員研修」に取り組みます。
不登校支援については、「心ある支援」を合言葉に令和5年度に教育支援センター「マイルーム」を開設し、児童生徒の情報・状況の把握、学校や関係機関との連携強化、アウトリーチ型支援などを行っており、不登校支援の拠点機能を今後、更に充実させてまいります。
また、学校以外の関係機関と結びついていない、学びに接続できていない児童生徒をゼロにする取り組みを行い、学校への復帰や将来を見据えて、社会的に自立することを目指すための支援を引き続き行ってまいります。
児童虐待については、幼稚園や学校と連携して早期発見、早期対応に取り組むとともに、町の保健福祉部局や児童相談所、警察、要保護児童対策地域協議会などと連携し、地域が一体となって迅速に対応できる体制を継続します。
子育てに関する経済的支援の充実については、「子ども未来きらきらプラン」により、実質的に令和7年度からスタートする制服等完全無償化事業を行い、更なる保護者負担の軽減を図るとともに、若者の社会への第一歩を経済的に支援する奨学金返還支援事業を行うことにより、子どもの誕生から巣立ちまで、ロングランの支援を充実させるよう努めます。
学校と地域をつなぐ学校運営協議会については、令和9年4月に開校予定の「義務教育学校」が目指す教育の在り方について「熟議」を積み重ね、「地域とともにある学校」をコンセプトに、具体的な子ども像や学校像を提案するとともに、「学校が核となる地域づくり」の地学協働の取り組みを推進し、地域の総力を挙げて未来を担う鹿部の子どもたちの成長を支えてまいります。
学校における働き方改革については、教職員が健康でやりがいをもって教育活動に臨むことができるよう、令和6年9月に策定した「学校における鹿部町働き方改革アクション・プラン(第3期)」に基づく取り組みを推進します。
特に、クラウドサービスやデジタル教材、校務支援システムなど、ICTを活用した教育活動の充実を図り、ICT活用に対する教職員への支援を積極的に行うことで、教職員の心理的負担を軽減させるとともに、教職員に対するストレスチェックを継続して実施してまいります。
部活動については、国の取り組みが「部活動の地域展開」に変更になったことから、これまで学校が担ってきた部活動を、地域全体で支える仕組みに変えていくとともに、子どもを取り巻く生涯スポーツ・文化環境を、地域の教育力をもって整備してまいります。
教職員の資質向上については、「子どもにとって最大の教育的環境は教師である」と言われているように、その特殊な専門性の維持・向上のため、生涯を通じて学び続けることができるよう、質が高く、日々の実践に役立つ研修を企画して、その資質の向上に努めます。