- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道森町
- 広報紙名 : 広報もりまち No.247 令和7年10月1日号
■声と心をひらく教育の舞台 内谷正文 Masabumi Uchiya
人と人をつなぐ表現の力を信じ、子どもたちの成長を見守りながら、地域のみなさんと共に芝居や表現の楽しさを広げている。
▽『秋の森まち芝居』に向けて
森町社会教育課の地域おこし協力隊の内谷正文です。私が目指している活動のひとつに「教育の中に表現活動を取り入れること」があります。
SNSが中心となった今の子どもたちの日常では、人と直接関わる機会が減り、「自分の思いを言葉にできない」「相手の話をじっくり聴けない」という現実があります。
表現プログラムを教育に入れることで、自分の中にあるものを表に出し、相手の言葉を受け止める力が育まれます。それは学びの場だけでなく、日常を豊かにする力にもつながります。
4月からは、さわら幼稚園で『ブーミンとあそぼ』を始めました。3~5歳の子どもたちが体をいっぱいに使って声を出し、イメージを表現する姿は本当に生き生きとしています。6月からは鷲ノ木小学校で4~6年生を対象に『表現プログラム』を実施。理解力がついてきた分、恥ずかしさを感じる子もいますが、仲間と一緒に声を出したり動いたりするうちに、少しずつ表情が和らいでいく様子が印象的です。また、地域共生サポートスペース「りべるて」の子どもたちとも月に1回、表現プログラムを行い、施設長から「子どもたちの変化が楽しみです」と言っていただいています。今後は森町の中学生にも取り組みを広げていく予定です。
そしてもうひとつの挑戦は、「森町の人と一緒に演劇をつくること」です。私は2021年に「ハル小屋演劇研究会」を立ち上げ、今年で5年目を迎えました。その節目に、森町で『秋の森まち芝居』を11月に開催します。
岡嶋康輔町長も「町の活性化には演劇的処方が必要だ」と語り、自ら出演してくださいます。さらに「もりまち太鼓保存会」の皆さんとの共演も予定しており、森町ならではの舞台にします。
森町に来れば演劇が観られる。森町に来れば芝居に参加できる。
そんな思いを胸に、地域の皆さんと共に歩んでいきたいと思います。