- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道蘭越町
- 広報紙名 : 広報らんこし 2025年4月号
○2 地域産業が元気なまちづくり
地域資源を生かして、まちに賑わいをもたせ農業や商工業が活発な「活力あるまち」を目指し、次のことに取り組んでまいります。
(1)農業経営の安定対策と担い手支援の強化
本町の農業は、恵まれた気候や土地条件を生かし、豊かな農産物を生産し、町の基幹産業として振興発展に寄与しております。
一方で本町の主力品目であるお米は昨年夏以降、品薄となり価格が高騰しましたが、国は流通停滞で備蓄米を放出するなどの対応策を設けるとともに、食料安定供給のために水田政策の見直しに着手するとしており、目まぐるしく変わる農業情勢は予断を許さぬ状況となっております。このような中で、農産物の安定した生産体制を維持するため、農業経営者の育成や営農改善に取り組む担い手グループに支援するとともに、増える離農者に対する「新規就農者育成対策事業」を推進しながら、農業研修生の住環境を整える専用住宅を確保し、担い手支援の強化を図ってまいります。
大規模経営とスマート農業に対応し、効率的かつ安定的な農業生産を行うため、引き続き「道営農地整備事業」を推進してまいります。
エゾシカやアライグマなどの鳥獣の捕獲頭数、農業被害ともに増加の一途を辿っていることから、鳥獣被害対策協議会と連携し駆除対策に一層努め、電気柵整備など引き続き支援してまいります。
持続可能な農業生産の推進を図るため、経営の複合化と農業所得の向上を図る振興作物の取組、高品質米の生産技術を推進するための水稲圃場ケイ酸資材投入の取組、高温化傾向に対応する取組に支援するとともに、グリーンな栽培体系を推進する化学肥料低減定着を実践する生産者へ支援を行ってまいります。
「中山間地域等直接支払」、「多面的機能支払」、「環境保全型農業直接支払」の取組を引き続き活用し、農業の多面的機能の維持・発揮のための地域活動や営農活動の支援を行ってまいります。
水稲育苗施設は、農作業の省力化、クリーン農業の推進に大きな役割を担っており、健苗の供給に努めるとともに、中苗マットの供給余力に対する令和8年度に向けた新規受付と中苗マットの供給を受けずに努力している生産者への播種機購入に対する助成を新たに進めてまいります。
年々注目度が高まり、出品数も増加してい「米-1グランプリinらんこし」は町内農業者が2年連続してグランプリを獲得し、らんこし米の実力を内外に示しており、町の一大イベントとして定着していることから、引き続き開催を支援するとともに、らんこし米普及・宣伝活動を推進してまいります。
小規模ワイナリー等が設立しやすい環境を整えた「蘭越町ワイン特区」を活用し、ワイナリーの設立が進んでおりますので、経営規模拡大と、商品開発や販売促進に向けた支援をしてまいります。
また、町内で建設が進められている日本酒の醸造所に対して、原材料の供給確保を支援してまいります。
京都大学、民間企業と締結した産学官連携による「薬用植物栽培を軸とした地方活性化のための共同研究」においては、薬用植物の活用により商品化した飲料等が徐々に認知を高めており、今後の生産物の出口戦略と栽培の広がりに向けた取組を、連携しながら推進してまいります。
(2)林業・水産業の振興
本町は面積の約80%が森林であり、森林の持つ多面的機能を発揮させるため、「蘭越町森林整備計画」や「森林経営計画」に基づき、森林所有者が実施する「豊かな森づくり推進事業」や「下刈・除間伐推進事業」等に対し支援するとともに、森林環境譲与税を活用し、森林整備事業へ助成する「私有林等整備事業」等、森林整備の促進と林業振興を図ってまいります。
水産業については、漁業関係者との連携を進め振興施策の方向性を検討するとともに、内水面資源の活用については関係機関との勉強会において、今後の展開を探ってまいります。
また、高潮対策や飛び砂対策など海岸保全についても、引き続き関係機関に要請を行ってまいります。
(3)商工業の振興
本町の商工業を取り巻く状況は、居住人口の減少と少子高齢化による内需の縮小や高齢化による後継者不足など厳しさを増すことが懸念されております。
このような事から、昨年度「中心市街地活性化計画(基本構想)」を策定し、中心市街地の目指す姿や未来に向けたまちづくりの方針等、活性化に向けた構想が定まり、今年度においては、基本構想を基に、エリアマネジメント体制の構築を行うとともに、町民や商業者、観光事業者など様々な団体から意見を伺いながら、構想をより実効性を高め具体化できるよう、まちなかづくりの推進に努めてまいります。
また、起業・創業希望者を支援する「蘭越町創業支援事業」を継続し、商工会・金融機関・町との連携を図りながら、創業前から創業後のフォローアップまでの対応に努めてまいります。
引き続き、「らぶちゃんカード会事業」に対して支援するほか、労働者対策として、金融関係機関と連携し、資金調達の円滑化対策や有効活用の促進を図り、町内企業の育成や労働者の生活支援に努めてまいります。
(4)観光の振興
地域の特色を生かした観光の振興は、観光業者のみならず、商工業者・農業者等、地域産業との関わりや連携が必要であることから、地域経済に影響を及ぼし地域活性化対策としても重要であります。本町の豊かで特色のある観光資源を一層生かし、多様化する観光客のニーズに適切な対応が出来るよう、蘭越町観光物産協会など関係機関や団体と連携しながら観光振興に努めてまいります。
また、観光情報提供の充実を図るため、引き続き、テレビ番組や町のホームページ、インターネットなどを有効に活用し、らんこし米を中心としたふるさと納税やニセコエリアの観光需要や町の観光資源を活用しながら、訪れる観光客に対し積極的な情報発信に努めてまいります。
「せせらぎまつり」の開催、「キララ共和国建国祭」や「トヨタガズーレーシング」、「新米まつり」など各種イベント開催に支援してまいります。
奥ニセコ地域として、ニセコエリアとは異なる魅力を発信するため、ニセコ観光圏やニセコ山系連絡協議会による広域連携の推進など、本町の特色を生かした観光振興に努めてまいります。