- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道月形町
- 広報紙名 : 広報花の里つきがた 令和7年5月号(694号)
こんにちは。月形町地域おこし協力隊の石原絢子です。こちらのコーナーでは、月形町で生産されている花をより深く掘り下げて詳しくご紹介しています。第二弾は、「デルフィニウム」。
月形町内でも多く生産されており、毎年6月の月形花飾り(主催・つきがたふるさと花の会)ではメイン花材としてふんだんに使用されています。キンポウゲ科デルフィニウム属の多年草とされていますが、特に北海道では気候の関係から1年草とされている植物です。草丈は長いものだと200cm程にもなり、お庭に植えても見栄えのする花姿ですね。
学名のデルフィニウムは花の姿がイルカのように見えることからギリシャ語でイルカを意味する「Delphis」が由来です。和名は「大飛燕草(おおひえんそう)」といい、花姿が燕(つばめ)の飛んでいるようすに見えることからついたそうです。
産地はアジアやアフリカの山岳地帯です。私は山によく登るのですがこんなに美しい花が咲いていたらきつい山行のご褒美になりますね!野生種は、北半球の温帯を中心におよそ200種類が分布し、品種改良が始まったのが17世紀。第二次世界大戦後からさらに品種改良が盛んになり、今では何千品種と増えていて正確な把握も難しいほどだとか。さまざまな原種が関わって枝葉を広げているのですね。 その中でも最も古くから栽培されているのが、「エラツム」。ピレネーから西アジアの山地に自生します。「エラツム系園芸品種の中心となっている種」、とのことで私もよく見聞きする「エラータム系」もこちらの一種です。
ちなみにデルフィニウムの花はとっても地味で目立ちません。皆さんが花だと思っているブルーや紫などの薄い美しい部分はガクで、その中心にそっと佇む白い(または黒い)小さな部分が花なのです。愛らしいですね。
また、ガクの内1枚はキュッと長く突き出ていますがこれは距(きょ)といい、ここには蜜を貯めているそうです。チドリソウにも多く見られますね。
花言葉ですが、一般的なものが「あなたは幸福を振りまく」。今回もう少し調べてみると色によっては「自由な暮らし」「移り気」などの花言葉もあるようなので、もしご興味があれば調べてみてください。そしてブルーのデルフィニウムには「あなたを幸せにします」という花言葉があります。以前担当したウェディングでご新郎からの当日サプライズでブルーのデルフィニウムだけを束ねたブーケをご新婦へご用意させていただいたことがあります。一生に一度しかできない素敵なサプライズですね!一花一花に分けて髪飾りにしても可愛いです。
5月には月形町内での生産も始まると思われるデルフィニウム。今年も月形花飾りでは最初のメイン花材に決定しました。道沿いからちらりと見えるビニールハウスもあるかもしれませんね。それでは今回はこの辺で。次回もお楽しみに!