- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道月形町
- 広報紙名 : 広報花の里つきがた 令和7年9月号(698号)
こんにちは。月形町地域おこし協力隊の石原絢子です。こちらのコーナーでは、月形町で生産されているお花を詳しくご紹介しています。
夏が訪れ青空の下に咲くヒマワリ。その力強い花姿は、まさに太陽そのもの。今回は、そんなヒマワリの魅力について、深堀りしてみます。
ヒマワリの故郷は、遠く離れた北アメリカ大陸です。数千年も前から、ネイティブ・アメリカンが食用や薬用として栽培していたとされています。東洋医学でも取り入れられているようで、ヒマワリの種子の殻をむいたものを「仁」といい、仁は、「向日葵子(コウジツキシ)」という生薬として、昔から出血性下痢に用いられています。また、種子の殻は「向日葵殻(コウジツキカク)」という生薬として、めまいや難聴に使用されています。種がついていた箇所は「花托(カタク)」といいますが、これを刻んで日干しにしたものを煎じ、血圧を下げるために用いる場合もあるそうです。さらに、中国ではヒマワリの花、葉、茎、根をそれぞれ異なる目的で使用するそうで、全草に効能が期待できるといえます。鑑賞して元気をもらえる花の代表ヒマワリですが、薬用でもこんなに私達のお助け役を担ってくれているんですね!
16世紀に入ると、探検家たちによってヨーロッパへと持ち込まれ、その珍しい姿と力強い生命力で人々を魅了しました。最初は観賞用として広まりましたが、やがて油糧作物としても注目され、世界各地へと普及していきました。日本には17世紀頃に伝来したと言われています。学名はHelianthus annuus (ヘリアンサス・アンヌウス)です。この学名は、ギリシャ語に由来しています。「Helios(ヘリオス)」は「太陽」を意味し、「anthos(アントス)」は「花」を意味します。つまり、「Helianthus」は「太陽の花」という意味になります。そして「annuus(アンヌウス)」は「一年生の」という意味で、ヒマワリが一年草であることを示しています。学名からも、ヒマワリが太陽と深く結びついた植物であることが分かりますね。
花言葉は「あなただけを見つめる」「あこがれ」。これは、ヒマワリが太陽の方向を追いかけて向きを変える性質に由来しています。まるで大切な人だけを一途に見つめるような姿は、多くの人々の心を捉えてきました。
他にも、品種や色によって様々な花言葉があります。例えば、小輪のヒマワリには「高貴」や「活発」といった意味合いが、八重咲きのヒマワリには「栄光」「あなたを幸福にする」といった言葉が込められています。贈る相手やシチュエーションに合わせて、花言葉を選んでみるのも素敵ですね。
月形町でもさまざまな品種のヒマワリが栽培、出荷されており、町内の施設では毎年中庭にヒマワリをたくさん植えて、利用者の皆さんの目を楽しませてくれています。わたしもこの時期、お花のお届けの際に少しだけ楽しませてもらっています。ヒマワリには心も体も元気づける不思議なパワーがありますね。