くらし 令和7年度 町政執行方針(1)

■はじめに
令和7年第1回浦臼町定例議会の開催にあたり、新年度に向けた基本的な考え方と重点的な施策についてご説明申し上げ、議員各位並びに町民の皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
さて、昨年4月に多くの皆様のご支援を賜り、2期目の町政を担わせていただいてから早や1年、通算では5年が経過しようとしています。就任当初から新型コロナウイルス感染症が猛威を振るいはじめ1期目の大半がコロナ禍の影響を受け、その後の国際情勢の不安定化によるエネルギー資源の高騰や円安などに起因する物価高は、現在においても収束せず、町としてもまた町民の皆様の生活や産業活動においても厳しい状況が続いています。また、国全体で急速な少子高齢化と都市部への過度な人口集中が進み、本町においても人口減少は待ったなしの状態が続いています。私は昨年の改選にあたり町政推進のスローガンとして「一歩一歩力強く。共に歩み育むにぎわいの町づくり」とさせていただきました。ここ最近国内の政治体制は大きく変化し、世界的にもアメリカや東アジア地域において様々な事態が発生している不透明な時代ではありますが、どんな時代であっても現状を認識し、町民の皆様の思いを受け止めながら、一歩ずつ着実ににぎわいの輪を広げ、町民と地域の活力につながる町づくりに取り組んでまいります。なお、今後の行政運営にあたりましては、厳しさを増す財政状況に十分に留意し、行政のスリム化、効率化を徹底しながら財源の確保に努め、限られた予算の中で町民の負託に応えるよう努力してまいります。町民の皆様並びに議員各位におかれましては、格別の支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
令和7年度の町政執行に臨むにあたり、今後進めていく基本政策の柱を「地域経済を支える産業の振興」「暮らしを支える生活基盤の充実」「子どもたちを健やかに育む環境づくり」「連帯意識を高め安心安全な地域づくり」の大きく4本に定め、具体的に推進していく施策、事業の一端を述べさせていただきます。事務事業の優先順位を見極めながら、予算を編成いたしましたので、ご理解ご協力のほどお願い申し上げます。

■基本政策の4本の柱
◇1 地域経済を支える産業の振興
最初は「地域経済を支える産業の振興」であります。
まず、本町の基幹産業である農業につきましては、昨年水稲に関しては天候に恵まれ、作況指数は北空知で103の「良」となり収量が確保された上、低タンパクな高品質米が出荷された年となりました。さらに、一昨年の不作の影響から米価が高騰し、燃料資材等の値上げに苦慮されていた農業者の皆様にとっては、長年の苦労が報われた年となったのではないかと思います。昨年5月に、農政の根幹となる食料農業農村基本法が大きく改正され、農産物価格の適正化が重要項目の一つとされました。現在その具体化に向け基本計画が策定されており期待されるところですが、今回の法改正では環境負荷の低減やスマート農業、収益性の向上など多岐にわたる取り組みが求められており、町単独の対応あるいはJA等農業団体との連携により推進してまいります。
町では昨年11月、ヤンマーアグリジャパン株式会社北海道支社と協力連携協定を道内第一号として締結いたしました。これまで3年間にわたりご協力いただいておりましたが、今後は協力連携協定により、一層のご支援いただくこととなりました。新年度におきましても、農業者の関心の高い衛星データとICTを活用した作業支援システムの実証に取り組んでまいります。最先端技術の効果を直接的に体感することにより、有効な判断材料を提供し普及促進につなげてまいります。
高収益作物の生産振興のため、にんにく栽培に対する種子助成と機械導入を支援してまいりましたが、新年度で4年目を迎え種子の供給体制も整ってきています。今後とも支援を継続し一層の作付拡大を促し、生産性向上に向けた取り組みを進めてまいります。また、希少品種となったキングメルティを初めとして、当町の伝統作物を支援する方策について関係者との協議を進めてまいります。
新規就農者の受入れにつきましては、2年前から営農対策協議会を立ち上げ取り組んできたところです。新年度に向けては「新農業人フェア」をはじめとする各種イベントへの積極的な参加をはじめ、雇用就農を含む就農形態や栽培品目の多様化を図り、受入実現に向け推進してまいります。
農地の有効利用や農業経営の効率化を図るため、担い手への農地の集積・集約化に努めます。法定化された人・農地プランである地域計画の策定完了により、農地中間管理機構の新制度にて農地利用の再編を進めてまいります。
有害鳥獣対策として、昨年は熊出没時の対応について全道的な議論となったところであり、昨年12月には市町村の判断で発砲が可能になる鳥獣保護管理法改正案が示されたところです。まだ、最終決定には至っていませんが、今後とも猟友会、道、警察との協議を重ね、適切な駆除体制を確立してまいります。また、被害が拡大しているエゾシカやアライグマの侵入防止のための電気牧柵設置に対する支援を開始します。
水田用水の大半を賄っている石狩川河川敷の取水口揚水機場は、老朽化が進行しており懸案事項となっています。これまで開発局と協議を進めてきておりましたが、新年度に調査費が計上されることになりました。今後とも、整備計画として早期に決定されるよう要請を続けてまいります。