くらし 令和7年度 教育行政 執行方針(1)

■はじめに
令和7年第1回浦臼町議会定例会にあたり、浦臼町教育委員会が所管の教育行政執行に関する主要な方針について申し上げます。
近年、地球規模で進む気候変動や脱炭素化、生成AIの加速度的発展など、急速な変化が現実化する中、SDGs達成のための取組など、子どもたちの、複雑で予測困難な時代を逞しく生き抜く力、ふるさとへの誇りと愛着を持ち、多様性、公正や個人の尊厳、多様な幸せ等の価値に重きを置き、思いやりの心を持って、共に支え合いながら、未来社会の創造に挑戦することを支援していくことが必要であり、令和の日本型教育の実現に努めてまいります。

■基本方針
まず、教育行政の執行にあたり、浦臼町教育理念「知・徳・体に調和のとれた人間形成」並びに浦臼町教育大綱に掲げる「明日を担う人を育む教育・文化のまち」の理念を踏まえ、一人一人が輝いて生き抜く力、「笑顔で活(い)き生(い)き学ぶ」教育の推進を引き続き基本方針といたします。

■重点施策
次に、令和7年度の重点施策につきまして、「学校教育の充実」及び「社会教育の推進」の大きく二つに分けて申し上げます。

◇〔学校教育の充実〕
1 社会に立ち向かっていける力の育成
~確かな学力の定着~
学校教育の充実の一つ目は、「社会に立ち向かっていける力の育成」、確かな学力の定着であります。
学校運営につきましては、コミュニティ・スクール(学校運営協議会)をはじめ、地域の力を活用し、学校と地域がパートナーとして、子どもたちの成長を支え、ICTを活用した取組等により、小規模校のメリットを最大化し、確かなる力と心優しい人づくりを推進します。
また、校長をはじめとする学校管理職のリーダーシップの下で、多様な専門性を有する質の高い教職員集団を形成し、教職員一人一人が学校経営への参画意識を持ち、組織の力で児童生徒等に向き合っていく教育の推進、子どもが主語の教育の実現に努めます。
教育課程につきましては、「生きる力」を支える「知・徳・体」の調和を重視し、伝統文化を尊重、ふるさとを大切にする心を育み、学習意義「何ができるようになるか」をより明確にしながら、よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創るという目標を地域と共有し、教科等横断的な視点に立った教育課程の編制を図り、各学校におけるカリキュラム・マネジメントの充実に努めます。
また、ふるさと教育では、地域の施設や人材等の教育資源を活用した体験的な学習活動の促進、中学校の修学旅行のほか、姉妹校、嶺北中学校との様々な交流やアイヌの人たちの歴史・文化等に関する教育の充実に努めます。
学習指導につきましては、個別最適な学びと、協働的な学びを一体的に推進し、目指す資質・能力の三つの柱、「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」の育成を意識した実践により、主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善を図ります。
小学校においては、学びの基礎が重要であること、また、複式学級編制を回避するため、町独自に教諭を配置し、学びの支援を続けます。
また、言語能力、問題発見・解決能力に加え、「学習の基盤となる資質・能力」の一つに位置付けられた情報活用能力の育成に向けて、タブレット端末を有効活用し、学習支援アプリやAIドリルの導入、ICT支援員の配置による学校DXの推進により教職員を支援し、指導体制の充実、整備に努めます。
さらに、SDGsの視点に立った環境教育の推進などのESD(持続可能な開発のための教育)の推進、各教科等や「総合的な学習の時間」における教科等横断的な学習等の実践などの推進に努めます。
特別支援教育は、共生社会の形成に向け、インクルーシブ教育システムの理念を踏まえ、一人一人の教育的ニーズに応じた対応に努めます。
連携教育につきましては、目指す姿を共有し、園児の小学校訪問や小学生の中学校登校など、こども園、小・中学校の連携・接続の強化に努めます。 また、小1プロブレム、中1ギャップの未然防止、小・中学校間の乗り入れ授業の実践や教職員の情報共有を深め、小学校における教科担任制の導入など、義務教育9年間を見通した教育課程を支える効果的な指導体制の構築を進めます。
外国語教育につきましては、外国語指導助手(ALT)を中学校に通年配置し、中学校英語教育の充実、小学校においては、子どもたちが英語で日常的なコミュニケーションができる力を身に付けられるよう努めます。

◇〔学校教育の充実〕
2 健やかで、人の優しさ痛みの分かる心の育成
~豊かな心と健やかな体~
学校教育の充実の二つ目は、健やかで、人の優しさ、痛みの分かる心の育成、豊かな心と健やかな体であります。
道徳教育につきましては、答えが一つではない課題に子どもたちが道徳的に向き合い、考え、議論することにより、物事を多面的・多角的に考え、他者と共によりよく生きるための基盤となる道徳性を養う教育の推進に努めます。
いじめ・不登校につきましては、望ましい人間関係を醸成し楽しい学校生活を送るため、学級集団に関する情報を分析し児童生徒の意欲や解決すべき課題を把握するアンケート「hyper-QU」を全学年で継続的に実施し、児童生徒の支援ニーズの早期把握を進め、関係者やスクールカウンセラーとの連携を密にし、未然防止と早期発見、組織的な支援に努めます。
また、ICTの活用力の育成と同時に、情報モラルの指導推進に努めます。
ネット上の有害環境から子どもを守るために、学校・家庭・地域と連携し情報モラルに対する啓発を行い、ネットトラブルの根絶に向けた取組を進めてまいります。
学校保健につきましては、早寝早起き朝ごはんを推奨し、食に関する正しい知識や望ましい食習慣の定着を図り、食育の推進に努めるとともに、児童生徒が感染予防対策を身に付けるよう、指導を行うなど、生涯にわたって心身共に健康な生活を送るための資質・能力の育成を図ります。
また、むし歯予防のため、小学校をはじめ、認定こども園にもフッ化物洗口の有効性をPRし、普及に取り組みます。