くらし 令和7年度 町政執行方針(要旨)(1)

妹背牛町長 田中一典

■はじめに
本年は、私が町政をお預かりしてから2期8年目となる任期の最終年を迎えるところでございますが、町政の運営に関しまして、議員の皆様、そして町民の皆様の深いご理解とご協力をいただきました事に、心からお礼を申し上げます。
不安定な世界情勢等を背景とした物価高は、依然として私たちの日常生活に大きな影響を及ぼし、町民の暮らしや事業者の活動を守るべく、国や北海道など関係機関と密接に連携しながら、負担軽減に努め、まちづくりを進めていかなければなりません。
令和2年度からスタートしております「第9次妹背牛町総合振興計画」に掲げた「小さなまちから広がるつながり暮らしやすいまちもせうし」をまちづくりのテーマに、移住定住対策や子育て支援に重点を置いた施策を核とし、確実な財源確保に努め、将来を見据えたまちづくりに、今後とも積極的に取り組みながら町政執行にあたっていく決意であります。

■~活力と賑わいあふれる産業のまちづくり~
◆農業振興
◇良質・良食味米の安定生産
国は、水田政策そのものを令和9年度から根本的に見直す方向を示しており、情報をいち早く収集し、各農家へ周知するとともに、各関係機関と対策について協議してまいります。
農業生産において必要不可欠な肥料などの価格が高止まり傾向にあり、これらの影響を少しでも緩和し持続可能な農業が営めるよう、全農家を対象とした低コスト生産に向けた土壌診断に対する助成を本年も継続して行い、適正施肥による品質・収量の向上と施肥設計の見直しによる肥料コストの低減に資する取組を進めてまいります。

◇農作業の省力・省人化の推進
労働力不足の解消が課題となっておりますが、今後とも、妹背牛町GNSS研究会と連携し、省力・省人化に向けて有効な技術の研究などに取り組んでまいります。
肥料コストの削減や省力化、収量増加につながる取り組みとして、人工衛星の画像とAI解析を組み合わせたデータを、地力分析や生育分析などに活用するシステムの研究や検証を進めてまいります。
また、水稲直播研究会の活動支援や道営圃場整備事業による大区画の推進など、一層の省力化や生産性の向上をめざしてまいります。

◇活力ある農村づくり及び担い手の育成・確保
現在、農協青年部・女性部におかれては、各事業への積極的な参画により、まちづくりに貢献していただいており、今後においても魅力ある農業と活力ある農村づくり活動を期待するところであり、関係機関とともに支援してまいります。
農業担い手の育成・確保については、北空知農業後継者対策育成支援協議会による若手農業者の研修や、現在、北海道拓殖短期大学と近隣市町で行っております新規就農者等冬期集中講座等への参加を促進してまいります。北海道農業担い手育成センターによる新規就農者フェアへの参加に伴い、本町農業のPRに資するパンフレットなどの啓蒙資材を作成し、新規就農者の確保・育成を推進してまいります。

◇有害鳥獣対策
有害鳥獣対策については、エゾシカ、カラス、アライグマなどによる農作物被害等を防止するため、今後も関係機関・団体等と連携しながら駆除体制の強化に努めます。
また、猟銃免許等取得及び更新費用の一部助成を引き続き行い、有害鳥獣駆除に欠かせない狩猟者の育成確保に努めてまいります。

◆移住定住の促進
移住定住対策として、土地購入・住宅新築・中古住宅購入に係る支援をはじめ、転入者への引越し助成や民間賃貸住宅入居者への家賃助成を昨年に引き続き行います。さらに、民間住宅に住まわれている方の家賃助成額を増額し、期間を3年から5年へと延長、高校通学費の助成額も増額いたします。
また、移住定住対策等については、SNSを活用した情報発信、移住定住促進のチラシ等の配布を考えております。さらに道内外の移住フェアに参加、移住者の声を直接聞くことにより移住施策をブラッシュアップし、移住定住へとつながる施策を講じてまいります。

◆空き家対策
本町では、令和5年度に「空き家等対策計画」を改定し、空き家等の実態調査を行うとともに、管理・利活用に関する事項を定めています。
しかし、急速に進む人口減少に伴い、年々空き家が増加している状況にある中、活用が困難な空き家の除却に対しては、住宅等撤去費助成事業を継続し、固定資産税の納税通知書に住宅撤去費助成事業のパンフを同封して解体を促進、活用が可能な空き家は地域資源として利活用することにより空き家等の抑制に努めてまいります。

◆商工業の振興
本町における商工業につきましては、近郊の大型店進出やネットショッピングの普及などにより、依然として苦しい経営状況が続いており、引き続き商工振興を図る取り組みが重要であります。
資金融資保証料の補給支援、小売店舗等設備支援事業を継続し、商工会事業の住宅等リフォーム助成事業、お買い物おもてなしタクシー助成事業、モスピーカードのポイント贈呈支援、さらには新規起業(創業)への支援についても継続してまいります。
今後も地域活性化に結びつく事業展開に対し、積極的に支援をしてまいりたいと考えております。

◆観光の振興
妹背牛温泉ペペルにつきましては、昨年4月にリニューアルオープンいたしました。サウナを充実し、左右で趣の異なる浴室を男女入替制にて行い、皆様に愛される温泉をめざしております。町内利用者を増やすべく、町民の日などを設け、少しでも利用しやすい施策を行ってまいりたいと考えております。
令和6年度は、ふるさと応援寄附額が過去最高の金額となり、令和7年度についても、寄附額を維持し関係人口の増加につなげたいと考えております。
また、本町の応援大使でありますアイドルグループ「タイトル未定」の山下彩耶さんや女子カーリングチーム「フォルティウス」を通して、本町に関する様々な発信をしていただくなど、各施策のPRともリンクした観光につながるような取り組みを積極的に行ってまいります。