子育て 特集-いのちをだきしめて
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- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道妹背牛町
- 広報紙名 : 広報もせうし 令和7年11月号 vol.780
■いのちの授業
「かわいい〜」赤ちゃんの小さな体を見つめる中学生の優しい眼差しからは、命の尊さや家族との温もりが伝わってきそうです。
妹背牛中学校の3年生を対象とした「いのちの授業」。10月3日と9日の2日間にわたって行われ、生徒たちが生命誕生の奇跡や命を育むことの大切さを学びました。
町内のお母さんたちに育児の大変さを聞いたり、妊婦の動きにくさを体験したり、専門家による講話で妊娠・出産のメカニズムを知ったり。
生徒たちは、たくさんの学びを通じて、命の重みを実感するとともに、自分がどれだけ大切に育てられてきたかを考え、親に対する感謝の気持ちを新たにしました。
赤ちゃんの笑顔に中学生の心がほぐれ、お母さんたちと貴重な時間を過ごした授業の一端を紹介します。
親子ふれあい体験には、生後2〜11カ月の赤ちゃんとその保護者7組が授業に協力しました。3年生19人が5つのグループに分かれて、それぞれの親子と交流。おもちゃを使って赤ちゃんをあやしたり、抱きかかえたりしながら、接し方を学びました。
最初は緊張していた生徒たちも小さな手足に触れながら、赤ちゃんの温もりを肌で感じ、無邪気な笑顔に癒されていた様子でした。
和やかな雰囲気の中、お母さんたちには育児について質問。生徒たちは赤ちゃんとのうれしいエピソードや育児の大変さ、妊娠・出産後の体の変化などについて聞き取り、真剣な表情で耳を傾けていました。
授業の最後には、生徒全員に保護者からの手紙が配られました。生まれた時の感動や成長していく喜びをしたためた手紙をじっくりと読み、少し照れくさそうな表情を浮かべる男子生徒や、その場で涙を見せる女子生徒の姿もありました。
子育て講話では、拓殖大学北海道短期大学で乳児保育の講義などを行っている成田美貴さん…旭川市在住…が、赤ちゃんの寝返りからハイハイ、つかまり立ちするまでの発達段階について、分かりやすく生徒たちに教えました。
成田さんは、授業に参加した生後11カ月までの赤ちゃんについて「1年で何倍も成長する時期。優しい言葉とニコッとした表情が大好きなので、たくさん声をかけてください」と、赤ちゃんとの接し方についてアドバイス。
発達に合わせたおもちゃ選びも大切とした上で「音が鳴ったり、クルクルと回るおもちゃには意味があります。ペットボトルなどの身近な材料でおもちゃを手作りすることは経済的にも良いですね」と説明しました。
▽ふれあい体験
赤ちゃんの小さな手を握ったり、おもちゃで遊んだりした生徒たちは、そのかわいらしい表情や仕草に夢中になっていました。
▽妊婦疑似体験
生徒たちは胸部と腹部に計6〜8キロの重りが付いたジャケットを着て、妊婦の大変さを疑似体験。赤ちゃんの人形を抱きかかえたり、階段を上ったりして、妊婦の手伝ってほしい場面に気づくきっかけとなりました。
▽助産師の講話
深川市立病院の助産師、佐藤亜也子さんが「命と体の話」と題し、胎児の成長や出産の喜び、男女の体の変化について講話しました。
佐藤さんは、ビデオ映像を流して、精子と卵子が受精する仕組みを紹介。「皆さんが生まれるきっかけとなった精子と卵子の出会いは、宝くじに当たるような奇跡的な確率なんですよ」と、命の尊さについて述べました。
