くらし 《特集》持続可能な公共交通を考える(2)

●大事なことは「今」使うこと
住民アンケートでは、公共交通に関する不安や困りごとについてもお聞きしました。「本数が少ない」「時間帯が合わない」などのほか、「運転出来なくなった時が不安」「高齢になったときの通院・買い物が心配」など、将来的な不安を感じる方が多くいました。
将来、自分が公共交通を利用したいと思ったときに利用するためには、今ある公共交通を残していかなければなりません。そのために私たちができる第一歩、それは公共交通の現状を知ること、そして「今」公共交通を使うことです。

▽誰も使わないとどんどん衰退…

・子どもの送迎が大変…
・運転が不安だけどマイカーを手放せない…
・家族に免許返納をすすめにくい…

▽みんなで使えば良い循環に!

・免許返納しても自由に移動できる!
・毎日の送迎の負担が軽くなる!
・自分が高齢になった時も安心できる!

●公共交通を使うとこんなメリットも
(1)意外とかかる車の維持費
全国的な平均ですが、自家用車を1台(2,000cc想定)保有していると、燃料や税金、保険などで1日あたり1,500円、年間で約50万円かかると言われています。公共交通を上手に利用すると、節約につながるかもしれません。

(2)環境にやさしくなる
一般の路線バスは、乗客数の多さに関わらず、決まった時間に決まった路線を走るため、二酸化炭素の排出量は変わりません。自家用車を使う機会を減らすことで、排出する二酸化炭素の削減につながります。
同じ人数を運ぶときの二酸化炭素排出量は、自家用車に比べて、バスは3分の1と言われており、環境への配慮にもつながります。

(3)歩く機会で健康増進
公共交通を使うと、バス停等まで歩く必要があり、必然的に歩く機会を増やすことになります。
自動車の保有台数が多い地方のほうが、都市部に住んでいる人より運動不足の傾向にあると言われており、日常的な運動機会の創出、運動の習慣化にもつながります。

(4)交通事故のリスク軽減
全国各地で、多くの交通事故のニュースを聞くことがありますが、自家用車に比べて公共交通の事故リスクは極めて低いと言われています。
特に、近年では高齢者による交通事故が増加傾向にあり、運転への不安を感じている人にとっては、安心で利用できる移動手段なのです。

●町民の皆さんのニーズ調査を実施
町としても、将来にわたって持続的な公共交通の実現に向け、町民の皆さんの移動に関する現状やニーズを的確に把握するため、アンケート・ヒアリング調査を8月中旬〜9月上旬に実施しました。
今回は、公共交通を必要としている割合が高い、70歳以上の方を対象に調査を実施。鷹栖・北野地区では、無作為抽出400名を対象にしたアンケートを。市街地から距離があり、町営バスの運行エリアの中心である中央・北斗・北成地区では、約100名の方を戸別に訪問し、ヒアリング(聞き取り)調査を行いました。
現在、調査結果の集計・分析作業を行っており、その結果をふまえて、今後の町としての交通体系のあり方、仕組みづくりを進めていきます。分析結果は、町ホームページ等で公表予定です。

●これからの公共交通を地域で守り・育てる
公共交通の課題解決に向けては、民間の事業者(バス、タクシーなど)の努力だけでは限界があります。また、行政の負担だけで維持・解決することもできません。
民間の事業者と行政、そして利用する町民の皆さん、それぞれが手を取り合って考えていくことが不可欠です。町では、令和6年5月に地域公共交通活性化協議会を設立し、鷹栖町地域公共交通計画を策定しました。
多様な移動を支える公共交通。時代の変化とともに、取り巻く環境も大きく変わってきています。
将来のまち、将来の自分を支えるため。ちょっとそこまで、ちょっと気分を変えて、公共交通を使ってみませんか。

担当:まちづくり推進課 企画政策係

●公共交通の情報
▽道北バス
町中心部と旭川市を結ぶ路線バス。時刻表や運行状況等はホームページから。

▽みどりハイヤー
町内唯一のタクシー会社。利用、予約はお電話にて。
【電話】87–2309

▽町営バス(予約制)
町農村部と中心部を結ぶエリア運行バス。運行は、みどりハイヤーに委託。予約は専用ダイヤルで受け付けています。
予約専用ダイヤル:【電話】87–5489
※町営バスに関する問い合わせは、担当でも随時受け付けています。

担当:町民課住民生活係
【電話】74–3083