健康 こんにちは保健師です

皆さんが健康で元気に過ごすための役立つ情報をお届けします

■たばこによる健康被害
たばこは、ニコチンを長期的に使用継続させる「依存性」、人体に悪影響を与える「有害性」に加え、メンソールなどの添加物による「魅惑性」を有します。
たばこの煙には約5300種類の化学物質が含まれ、そのうち約70種類は発がん性物質です。また、動脈硬化や血栓をつくり虚血性心疾患や脳卒中などの循環器疾患につながります。その他、肺の繊維に炎症を引き起こし、呼吸器の低下の原因になります。
これらは喫煙者だけでなく、喫煙者の周りにいて煙を吸い込んでしまう受動喫煙者にも同様のリスクがあります。特に受動喫煙によってリスクが高まる病気は、肺がん(1.3倍)、脳卒中(1.3倍)、虚血性心疾患(1.2倍)です。その他にも、歯科疾患、骨密度の低下、関節リウマチ、認知症などの発症にも関連しているといわれています。

▽電子たばこ・水たばこによる健康被害
最近では電子たばこが流通しています。まだ研究が進んでいないため明らかな健康被害があるとは言い切れませんが、電子たばこの蒸気からは発がん性物質の発生が報告されているため、健康に影響する可能性があるといわれています。
また、日本でもバーやカフェで水たばこ(シーシャ)をたしなむ人が増えてきています。水たばこは、ろ過された煙を吸うため紙たばこよりもニコチン量が減るともいわれますが、紙たばこと比較して吸いやすい喫煙具のため、吸い過ぎるとニコチン中毒になる恐れがあり、その上、一酸化炭素は紙たばこよりも多いといわれています。

▽20歳未満の方は吸っちゃダメ!
令和4年4月から成年年齢が18歳に引き下げられましたが、若年層の喫煙は健康面への悪影響が大きいという理由から、年齢制限は20歳のまま維持されています。喫煙開始年齢が早ければ早いほど、肺がんやその他多くのがん、虚血性心疾患、脳血管疾患、肺疾患、歯周疾患などの病気のリスクが高くなりますので、たばこによる健康被害をよく知り、将来喫煙しない選択をすることも大切です。

▽妊婦さん・赤ちゃんに悪影響です!
妊娠中の喫煙・受動喫煙は、胎盤の血管を収縮させ、煙に含まれる一酸化炭素により胎児への酸素供給が阻害さます。このことからお腹の中の赤ちゃんの発育が遅れ、出生体重が少なく生まれる(低出生体重児)等の影響があります。また、子どもの受動喫煙は、喘息の発作、重症化との関連が強い傾向にありますので配慮が必要です。

■受動喫煙から身を守るために
北海道の喫煙率は、令和4年国民生活基礎調査で47都道府県中、男性14位、女性1位と多い結果でした。健康増進法の改正もあり、令和2年に「北海道受動喫煙防止条例」が制定されました。これにより、北海道では禁煙対策や受動喫煙防止対策が進められ、屋内完全禁煙に取り組む「北海道のきれいな空気の施設」が少しずつ増えてきています。受動喫煙から身を守るため、たばこの煙が流れてこない環境に身をおくことも大切です。

■5月31日は世界禁煙デー5月31日~6月6日は禁煙週間
毎年5月31日は、WHO(世界保健機関)により「世界禁煙デー」と定められています。また厚生労働省では、世界禁煙デーから始まる1週間を「禁煙週間」としています。喫煙習慣は個人の嗜しこう好にとどまらない健康問題になるので、喫煙者の方はぜひ禁煙に取り組む機会としてください。

問合せ:住民課保健予防担当
【電話】56-2122