健康 健康メモ ~鉄欠乏性貧血を予防しよう

貧血は男性の約10%、女性の約15%にみられ※、その中でも鉄欠乏性貧血は年齢・性別にかかわらず起こる可能性があるため、食生活に気を付ける必要があります。
※参考:令和元年度国民健康・栄養調査より

◆鉄欠乏性貧血とは
血液中のヘモグロビンの量が少なくなった状態を「貧血」といいます。ヘモグロビンは全身に酸素を運ぶため、不足すると全身が酸素不足になり様々な症状が現れますが、慢性化すると気づきにくくなることもあります。
貧血の多くは、ヘモグロビンの材料である鉄が不足して起こる「鉄欠乏性貧血」といわれています。

◇貧血の診断基準
ヘモグロビン(g/dL) 男性:13未満 / 女性:12未満
鉄剤の適正使用による貧血治療指針改訂[第3版]より

○鉄が十分にある状態(正常)→すみずみまで酸素がいきわたる
×鉄が足りない状態(鉄欠乏性貧血)→全身の臓器が酸素不足にさらされる

定期健康診断を受けて血液検査で確認しましょう

◇酸素不足による症状
・動悸、息切れ
・疲れやすい
・爪が薄く割れやすくなる
・頭痛
・憂うつ、不安になる
・足がむずむずして眠れない
・集中力の低下
長引くと心臓などに影響が出ることもある

◆鉄が不足する原因
i 鉄をとる量が少ない
・主食に偏った食事
・過度なダイエット

ii 成長期・妊娠期
脳・筋肉・骨の成長、血液量の増加など鉄の消費量が増える

iii 慢性的な出血がある
胃・腸の腫瘍ポリープなど
月経

◆食事で貧血予防
鉄欠乏性貧血を予防するためには、食べ物から鉄を十分にとる必要があります。
(1) 食事は1日3回しっかりとる
鉄の多い食品の種類は限られており不足しやすいため、欠食すると必要な鉄が十分にとれません。
また、鉄は毎日少しずつ汗や便から出ていくため、1日3回食事をとり鉄を補う必要があります。
(2) 鉄の多い食品を選ぶ
食品に含まれる鉄は吸収されやすいヘム鉄と、吸収されにくい非ヘム鉄の2種類に分けられます。
非ヘム鉄は動物性たんぱく質やビタミンCと一緒にとることで吸収率が上がるため、主食・主菜・副菜のそろったバランスの良い食事が大切です。

○ヘム鉄を含む食品:吸収されやすい
(例)レバー・モモ、ヒレなど赤身肉 マグロ・カツオ

○非ヘム鉄を含む食品:単体では吸収されにくい
(例)卵・納豆・厚揚げ 小松菜・水菜・ほうれん草

○組み合わせの例
非ヘム鉄を含む食品+肉・魚など動物性のたんぱく質+野菜・果物に含まれるビタミンC=吸収率UP

管理栄養士:小山愛実