子育て 【特集2】令和7年度苫前町教育行政執行方針(2)

特別支援教育では、対象となる子どもやその保護者が、乳幼児期から学齢期、社会参加に至るまで、地域で切れ目のない支援を受けられるよう、「特別支援教育地域連携専門部会」を核として、保健、医療、福祉等との連携体制の構築を進めてまいります。また、全ての教員が障がいの特性について理解を深め、個別の教育支援計画の活用を図り、関係機関と学校の連携を強化し、一人一人の教育的ニーズに対応した支援を提供してまいります。
近年増加傾向にある不登校への対応として、子ども同士の良好な人間関係、子どもと教員との信頼関係を確かなものとし、全ての子どもが安心や自己有用感を得られる学校づくりを進めるとともに、中学校においては、教室に入ることが難しい生徒を対象とした「校内支援教室」を開設し個別の対応をすることで、不登校の子ども等への学習機会の確保に努めてまいります。
また、「苫前町いじめ防止基本方針」に基づき、「いじめは、しない、させない」を合言葉に指導体制を充実させ、いじめの未然防止や早期発見・早期対応に努めてまいります。これら不登校やいじめなどへの対応として、巡回型のスクールカウンセラーを配置し、「困り感」を相談できる環境をつくり、さらにスクールソーシャルワーカーを活用して、学校だけでなく地域で課題解決にあたる体制を構築してまいります。
多様なデジタル機器の発達により、子どもは日常的にインターネットと接触しており、SNSによる個人情報流出や誹謗中傷、詐欺や闇バイト等の犯罪行為など、様々なトラブルに巻き込まれる危険性も高まっております。
そのため、情報活用能力だけでなく個人情報の保護や著作権侵害の防止、人権意識の向上など、十分な指導が必要であります。また、急速に普及が進む生成AIとの向き合い方についても、十分な周知と理解を得ることが肝要です。そのためには、子どもも大人も情報リテラシーを高めることが必要であり、様々な機会を通じて理解を深められるよう努めてまいります。
子どもの安全確保に向けては、学校施設や通学路の安全点検により日常的に環境の確認を行うとともに、防災教育や避難訓練などを通じて、災害発生時において適切に行動できるよう安全教育の充実を図ってまいります。登校時の見守り等については、PTAや民生委員・児童委員、その他関係機関と連携し、地域ぐるみの取り組みを推進してまいります。
学校教育の充実には、教職員の資質向上は不可欠であります。教育者としての指導能力はもちろんのこと、子どもや保護者、地域から信頼される教員を育成するため、研修機会を充実するとともに、法令順守はもちろん高い倫理観や規範意識の保持、ハラスメントの防止、適正な情報管理など服務規律の徹底に努めてまいります。
教員の働き方改革では、第3期苫前町立学校働き方改革計画のもと、教職員が変化を実感できる働き方改革の推進、ICT等を活用した業務効率化を引き続き進めるほか、校務を補助する「スクールサポートスタッフ」、授業の補助を担う「学習支援員」を配置し、教員が教育活動に専念できる環境を整え、子どもと向き合う時間を充実できるよう支援体制づくりを進めてまいります。
部活動の地域移行に向けては、「地域部活動検討委員会」を中心に検討・協議を重ね、本町の実情に沿った体制づくりを進めてまいります。
安全な学校給食を提供するため、アレルギー体質児童生徒への適切な対応、基準の遵守や食材の安全確認、異物混入など徹底した衛生管理を行ってまいります。また、安心安全な苫前町の地場産品の積極的活用に努め、家庭における食育の意識を高める働きかけを進めてまいります。また、学校給食費の無償化につきましては、保護者の経済的負担を軽減するため、継続させていきたいと考えているところであります。
北海道苫前商業高等学校の令和7年度の新入学生は、これまでの関係者の尽力により30名を超える見込みであり、北海道教育委員会の公立高等学校配置計画における再編整備の対象からは外れる見通しとなりましたが、時勢の少子化による中学卒業者数の減少や通信制高校の増加に伴う進路先の多様化など、生徒確保に向けては今後も楽観することはできません。
また、同校が道教委の高校配置計画において「地域連携校」として位置づけられていることに鑑みますと、地元の生徒に進学先として選んでもらえる魅力ある学校にすることが不可欠であります。そのため、苫前中学校と苫前商業高等学校が学習成果を発表する機会の合同実施や、中学校の体育において高校教員が指導協力するなど、生徒や教員が連携・交流する機会の創出に努めます。加えて地元生徒への手厚い支援を継続するとともに、「とままえ学」をはじめとした地域と連携した活動をサポートし、地域からも愛される学校づくりの手助けに努めてまいります。
また、町外からの入学生徒に対応するため、若者交流センターの管理運営を適切に行うとともに、受け入れ体制と安定化を図ってまいります。