子育て 【特集2】令和7年度苫前町教育行政執行方針(1)

令和7年第1回苫前町議会定例会の開会に当たり、苫前町教育行政執行方針を申し上げ、広く関係各位、関係機関・団体の皆様のご理解とご支援を賜り、知恵と創意工夫をこらし、町民各位の期待に応えるよう諸施策の推進に努めてまいりたいと考えています。
人口減少、少子高齢化、DXの飛躍的な進展、地球温暖化・気候変動対策に向けた脱炭素社会への取組や激変する国際情勢など、変化が激しい不安定な社会情勢が続いている中、このような未来の予測が困難な時代を見据え、これからの社会を展望する上で、教育の果たす役割はますます重要となっており、こうした社会全体の潮流を念頭に置いたうえで、教育施策の在り方として、学校教育、社会教育・生涯学習の連続性を重視し、共通課題を横断的に捉える視点が求められております。
次代を担う子どもたちが、夢や希望を持ち、様々な困難を乗り越え、多様な人々と協働しながら「誰一人取り残さない持続可能な社会の創り手」となるようその資質・能力を確実に育成するとともに、経済的な豊かさだけではなく、精神的な豊かさや健康までを含めて幸福や生きがいを捉える「日本社会に根差したウェルビーイングの向上」を目指した施策を講じなければなりません。
これらのことを踏まえ、苫前町教育委員会では、家庭や学校、地域が一丸となって教育を推進する環境づくりに努めてまいります。

◆【子ども・子育て支援】
安心して子どもを産み育てやすいまちの実現に向け、苫前町子ども・子育て条例の下、関係部署と連携し、各種施策を展開してまいります。
幼児期は生涯にわたる人格形成の基礎が培われる重要な時期であることから、認定こども園と小学校との幼小連携・接続に取り組み、一貫性のある質の高い教育・保育サービスの提供に取り組んでまいります。
また、地域の子育て中の親子の交流を促進するための「地域子育て拠点」や、保護者が仕事と家庭を両立できるよう「放課後児童クラブ」を積極的に支援してまいります。
また、令和7年度から始まる「第3期子ども・子育て支援事業計画」に基づき、総合的な子ども・子育て支援の充実に努めてまいります。

◆【学校教育】
本町の特性を生かした教育を進めるためには、地域住民が主体的に学校運営に関わることが不可欠です。そのため、学校運営協議会(コミュニティ・スクール)を中心として、地域と学校を結びつけた開かれた学校づくりに取り組んでまいります。特に小小・小中連携の促進を強化し、すべての関係者が同じ目標を共有し教育を実践できる体制づくりを目指してまいります。
新しい時代に必要となる資質・能力を育成するため、全国学力・学習状況調査の結果を系統的に分析し、各学校における教育活動の検証を行い、教員の指導力を高めながら、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を進めてまいります。
また、小学校における専科指導の更なる推進、学校教育支援員を活用した複数指導者による授業により、個に応じたきめ細かな指導ができる体制づくりを進めてまいります。
さらに、英語検定や漢字検定受験料の助成により、児童生徒の学習意欲を高揚させるとともに、主体的な学習習慣を定着させることで、基礎学力の底上げに努めてまいります。また、保護者が負担している教育副教材費については、公費負担の拡充を検討するなど、子育て世帯の経済的な負担軽減に努めてまいります。
ICTを活用した取り組みでは、国のGIGAスクール構想に基づき令和3年度に整備した1人1台端末を更新し、児童生徒が安心して学べる環境整備を図るとともに、デジタル教科書など新たな教育ツールを検証し、発達段階に応じて、全ての子どもたちの可能性を引き出す「個別最適な学び」や「協働的な学び」の一体的な充実を目指してまいります。
全国体力・運動能力調査の結果では、本町の子どもの体力低下や運動機会の少なさが顕著に表れております。このため、子どもが運動の楽しさや大切さを実感し、日常的に運動に親しむことができるよう、生活スタイルを見直すなどの動機づけにもつながる指導・啓発をしてまいります。
国際理解教育では、進展するグローバル化社会に対応した人材育成を図るため、英語指導助手を活用し、小学校では発達段階に応じたコミュニケーション能力を育み、中学校で実践的な英語力を習得させ、児童生徒の英語力及び学習意欲の向上を目指してまいります。