健康 こんにちは保健師です

■糖尿病外来出張医 続木先生にインタビュー!
▽町の印象と診療の現場から
竹元:(出張医として)天塩町に来て1年、町の印象はいかがですか?
続木:祖父母が豊富町に住んでいたので道北には馴染みがあります。天塩町は規模もちょうど良く、人との距離も近い。この1年で住民の方々の温かさにも触れました。
診察の短い時間では、患者さんお一人お一人の生活を十分にお聞きすることは難しいですが、看護師と患者さんも顔見知りのため、お仕事や生活の背景を聞けることも診療に役立っています。

▽健診をきっかけに、健康意識を
竹元:天塩町は糖尿病やその予備軍の方が多い町です。専門医から見て、町の糖尿病の課題についてどのように感じますか?
続木:商店や酪農家・漁師さんなど自営業の方は(自分で申し込む必要があるため)健診を受けにくい環境なので、健診受診率を上げるアプローチが喫緊の課題だと思います。
僕自身、企業や自営業で利益を生んだり、どう地域に根付いて商売を行うか、そういうところにも関心があり経営学に関する資格を取りました。
仕事が忙しく健診を受けられない、治療が出来ないことで、糖尿病による失明や透析などの合併症を起こし、仕事ができなくなるのはもったいない。健康あっての仕事なので、地域の産業振興と健康づくりを同じベクトルで取組めたら良いな、何か工夫できることはないだろうかと常々考えています。

▽糖尿病外来の工夫と思い
竹元:先生が診療で心がけていることはありますか?
また、健診で精密検査になった方も糖尿病外来を受診して良いですか?
続木:外来を始めた頃は、だいぶお待たせしてしまいました。待ち時間を少なくできるよう、午前診療のみだったのを午後も予約制で診療を行ったり、外来1週間以内であれば事前に採血を受けてもらい、当日は診察から開始できるようにしました。仕事をしながら病院に来てくれる方への配慮と、スムーズな受診につながればと思っています。
また、糖尿病治療の基本は「食事」と「運動(活動)」で、薬は治療の補助です。数値をみて薬を出すだけではなく、数値や生活のちょっとした変化があればすぐにキャッチできるよう、常にアンテナを張るように心がけています。
健診の精検者も、もちろん受診してください。いきなり薬を出すとは限らず、生活習慣の見直しからという場合もあり、専門的な判断が活きてくるところです。必要な方には75gブドウ糖負荷試験を行ったり、全身状態を調べるのに札幌の病院への検査入院を勧める場合もあります。まずは受診してください。

▽「糖尿病を知ろうCafé」について
竹元:昨年のカフェは大好評でした。手応えと今年の内容は? どのような方に参加して欲しいですか?
続木:昨年は想定よりも非常に多くの方に来てもらえ良かったです。
今年初めて来る方もいると思うので、「糖尿病とは?」「合併症って何?」という基礎的なことに加え、「糖尿病と遺伝の関係性」、先ほどお話した、地元の産業振興(仕事)と糖尿病の予防・治療の両立に向けたベクトル合わせのお話ができればと思っています。
子どもから大人、お年寄りまで広い層の方々に来て欲しいです。小学生でも来ていただけたらわかるように説明します。そこに来てくれた人が、家族や近所の人に「こんなことを聞いたよ」って少しでも伝えてくれたら、周りまわって町全体に伝わるのではと思います。

▽天塩町のみなさんへのメッセージ
続木:現状では病院通院中の人にしかアプローチできていませんが、町民講座や健診のキャンペーンなど様々な方向から健康に関心を持ってもらえるようにサポートしていきたいです。また、月に1回ですが、今後できるだけ長く通いたいなと思っています。
いつか最終日が来たときに僕が去ったら何も残らないのではもったいないので、僕が役目を終える頃には、糖尿病外来が無くても自分で健康管理ができるような環境になっていればと思います。
「もう私の役割は終わった」と思えることが私の理想です。

※詳しくは本紙をご覧ください。

お問い合せ先:福祉課ふれあい係
【電話】(2)1728