子育て 学習格差を乗り越える猿払村未来塾の取り組み(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道猿払村
- 広報紙名 : 広報さるふつ Vol.538 令和7年3月号
未来を拓く学びの場“猿払村未来塾”が子どもたちの夢を支えます
■過疎地域の学びを支える
猿払村が位置する宗谷地域は、全国的に見ても学力水準が低く、過疎地域特有の教育環境の厳しさが長年の課題でした。村内には幼稚園がなく、小学校が4校、中学校が1校しかありません。高校には約1時間かけて通学するか、家を離れて都市部へ進学する生徒も少なくありません。
都市部と比べて学習塾の数が圧倒的に少なく、学校以外での学習機会が限られているのが現状でした。こうした課題を解決し、子どもたちが住む場所に関係なく学習の場を提供するため、令和4年4月に公設塾「猿払村未来塾」を開講しました。
■未来塾の歩み
開設当初の令和4年度は、民間委託のもとパソコンを活用した個別指導が行われていました。しかし、キーボード入力での回答のため、講師が生徒の回答にいたるまでの思考過程を把握しにくく、さらに講師1人に対して4人程度の生徒を指導する状況で、十分な個別対応ができないという課題がありました。
令和5年度からは、運営を民間委託から猿払村の直営に変更し、講師の大学生の人数も増員しました。大学生を採用した理由は、生徒にとって身近な「兄・姉」のような存在として触れ合うことで、学習支援だけでなく将来の選択肢を広げてほしいという思いもありました。また、学校で配布されるタブレットを活用し、手書き入力にも対応することで、指導の質の向上を図りました。
さらに、令和6年度からは未来塾専門の係「子ども未来係」を新設し、より効果的な運営を進めています。
■猿払村未来塾の特色
猿払村未来塾は、村の予算で運営されており、児童生徒は無料で受講できます(令和7年度より中学生のテキスト代のみ実費負担)。
特徴的なのは、「現地指導」と「オンライン指導」のハイブリッド型学習を導入している点です。村職員の統括講師と全国の大学生講師が連携し、オンラインと対面の組み合わせによる指導を行っています。
令和7年度からは学生の講師の人数もさらに増加し、1対1に近い個別指導環境を整えることができる予定です。北海道教育大学札幌校や京都大学、北海道大学、大阪大学など全国の大学から計53名の講師が参加し、生徒一人ひとりに寄り添った指導を実施します。
指導教科について、小学生は、全ての教科の基礎である国語と論理的思考が求められる算数。中学生は、数学と国際交流などの観点で今後必要となる英語を学びます。
コースは3つに分かれています。詳細は以下のとおりです。
▽小学4~6年生
日時:月曜日・木曜日 17時50分~18時50分
教科:国語、算数
▽中学生(基礎)
日時:月曜日・木曜日 19時00分~20時00分
教科:数学、英語
▽中学生(応用)
日時:火曜日・水曜日 18時20分~19時50分
教科:数学、英語
●通常の塾以外に、次のような学習支援を行っています
▽フォローDay(中学生対象)
定期試験や学力テストの約1週間前から塾を開放し、学習サポートを実施しています。この期間はどんな教科でも学習ができます。
▽北海道学力コンクール(希望者対象)
道内最大規模の模擬試験を無料で受験可能。自分の学力を客観的に把握し、志望校合格の可能性を確認できます。
▽漢字計算カップ(小学生対象)
基礎学力向上を目的とした特別テストです。漢字・計算のスキル向上を図ります。
▽大学生と将来を考えるイベント(中学生対象)
大学生との対話を通じて進路や夢について考える機会を提供しています。大学生の体験談を聞くことで、子どもたちが自身の未来を具体的に描く手助けとなります。