- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道猿払村
- 広報紙名 : 広報さるふつ Vol.546 令和7年11月号
■利活用と保全の両立
生物保護のためには、保護対象となる生物の魅力や現状を理解してもらう事がとても重要です。
イトウは「幻の巨大魚」と言うブランド力を持っており、観光資源としても大きな可能性を持っています。一方でイトウには法律により定められた保護策がなく、例えば産卵を妨げるような行為をしても違法ではありません。また、釣りの規制やリリースの義務もないため、イトウの保護は、保護団体による自粛のお願いに応える釣り人や観光客のモラルに頼るしかありません。保護とPRの両立を図るためには、明確なルールが必要であることから、村と協力しルールづくりが出きればと考えています。
■イトウと共に暮らす
また、イトウの生息環境も厳しくなっています。近年、世界的に気候変動が問題となっていますが、猿払村でも夏場の平均気温が上昇傾向にあり、また、元々夏の降水量が少ない地域でもあることから、河川水位の低下が深刻化しています。これは水道水の取水にも影響するため、イトウだけでなく村民にとっても大きな問題です。
イトウの生息地である川と海の繋がりは環境循環的にも重要視されています。川と海に生息するイトウは環境保全の指標となる生き物です。イトウの生息環境の悪化は人の暮らしにも影響します。皆さんも、村のシンボルであるイトウを守り、共に暮らしていくためにも自然環境に関心を持っていただければと思います。
